これまでのスキルやノウハウを発展させることができるか
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Q.転職を考えるようになった理由は何ですか?
- 前職は政府系金融機関で中小企業向け融資を行っていました。在籍期間こそ2年半と短かったものの、取引先数も多く、また担当業務においてはある程度自分の裁量で自由に仕事ができたこともあり、法人向け融資に関しては若くしていろいろと経験を重ね、それなりにスキルを身に付けることもできました。ただ、ひとくちに融資といっても手法はいろいろとあり、より取引先のニーズに合った枠組みでの融資を実行したくても、前職においては組織の性質上、それがかなわないこともありました。たくさんの出会いに恵まれ、頑張る中小企業を応援でき、また頼りにもされる仕事はやりがいもあり面白くもあったのですが、法人向け融資についてもっと高度な仕事をしたいという思いが日増しに強くなっていったのも事実でした。当時、転職を志す人は今よりも少なかったのですが、現に新天地を求めてチャレンジしている人たちを目にする機会もあり、「それなら自分も機会があれば」と考えるようになったのが理由です。
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Q.転職先として、農林中央金庫を選ばれた理由は何ですか?
- 転職先を探すうえで重視したのは、これまでに培ってきた中小企業向け融資のスキルやノウハウを発展させることができる業務に就けるか、ということでした。提案できる商品・サービスの種類は多い方がいいですし、前職では手掛けることのできなかった大企業向け融資も担当したいと考えました。当然、メガバンクも志望先のひとつであり、実際に話も聞かせてもらったのですが、私がやりたいと考える業務は早くても30代半ばを過ぎてから。しかも、希望どおりの配属とはならない可能性も多分に含まれていました。この点で、農林中央金庫は若くして大企業を担当し、さまざまな案件を担当することも可能であり、非常に魅力的な環境であると感じました。加えて、私の家系は父方の実家が農家、母方の実家も漁業関連の卸売業を営んでいたこともあり、第一次産業に深く根ざす農林中央金庫に少なからず親近感を抱いていたのも、入庫理由のひとつですね。
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Q.入庫後、希望はかないましたか?
- はい、希望どおりでした。入庫して最初に配属されたのが営業第五部で、私は大手製紙メーカーをはじめとする紙パルプ業界を中心に担当しました。細かな話ですが、前職だと長プラや短プラといった昔ながらの指標を使って融資することが多かったのですが、入庫してからは市場連動の資金を使ったり、上場企業の株式を持って仕事をしたり、それまでにできなかったことをいろいろと実行できたのは、自分にとってとても有意義でした。また、中小企業の見地と大企業のそれは明らかに異なり、お客様は多額の借入金を戦略的に調達したいと考えているからこそ、自分にも鋭敏な感覚、深い洞察力といったものが求められていることを肌身にしみて感じられましたし、自分に足りない知識なり技能なりをハッキリと認識することもできました。だから正直に打ち明けると、「転職は早すぎたかもしれない」「前職で、もう少し経験を積んでからでも遅くはなかった」と思うことも、少なからずありました。
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Q.そのあたりは、どのようにキャッチアップされたのですか?
- 有価証券報告書を隅々まで読み込むことから始めました。それと各案件については、前職で経験してきた中小企業向け業務と大企業向け業務を、個別具体的に比較検討しながら知見を深めるようにしていきました。その点で、前職のキャリアはダイレクトに生きましたね。それと、とても役立ったのが各種研修や資格取得です。農林中央金庫は、そうした自己啓発に対するサポートが手厚かったので、私もフル活用させてもらいました。費用的な面もさることながら、自分が勉強したいことについてデータベースで検索すると、研修なり資格試験なりの情報が引き出せるんです。会社ぐるみで「ちゃんと勉強していこうね」という風土に、私も大いに助けられました。