農林中央金庫

キャリア採用サイト

PEOPLE

総合職職員

投資ビジネス

未来の地球環境に対して
当庫にしか提供できない価値を。

稲垣 駿SHUN INAGAKI
プロジェクトファイナンス部
2019年入庫/法学部卒

銀行業務に加え、信託業務や併営業務などを一体的なソリューションとして提供できることに興味を抱き、大学卒業後の2012年に信託銀行に入行。シンジケートローンのアレンジメント業務やストラクチャードファイナンス業務に従事し、2017年には政府系金融機関に出向。出向先では、2年ほどプロジェクトファイナンス業務に携わる。そして2019年、農林中央金庫に入庫。それまでのキャリアをフル活用したいと考え、プロジェクトファイナンス部への配属を希望し、今日に至る。

仕事の「意義」というものを考えるようになった

Q.前職では、どのような仕事をしていたのですか?
信託銀行で、シンジケートローンのアレンジメント業務やストラクチャードファイナンス業務を行っていました。入社2年目に、大企業向けシンジケートローンを商業銀行と協働でアレンジしたことを振り出しに、以降1年半ほど同業務に従事。お客様、協働アレンジャー、多数の参加金融機関の利害を調整するために、相手に対してどのように伝達すれば、適切な理解を得られるのかといった「交渉力」を身に付けていきました。その後、ストラクチャードファイナンス業務を担うことになり、証券化商品、デリバティブ商品、ファンド向けファイナンスなどに取り組みました。一連の業務を経験することで、どういうところに収益のタネが隠されているのか、どんなところにリスクが潜むのか等、実地で学びながら「洞察力」を養いました。その成果を評価していただけた為なのか、入社6年目に政府系金融機関へ出向する機会に恵まれ、これが私にとっての大きなターニングポイントになりました。
Q.政府系金融機関では、どのような仕事をしたのですか?
再エネをはじめとする電力関連のプロジェクトファイナンス業務を担当しました。日系企業が数百・数千億円規模の海外プロジェクトを成功させるために、自分たちはファイナンス面でどのような支援ができるのか、それをさまざまな利害関係者とともに突き詰めて考え進めていく、とても刺激的な仕事でした。プロジェクトファイナンスでは、スポンサー、オフテイカー、EPCコントラクター、O&M企業など、多種多様な関係者がリスクを分担する必要があります。関係者は長期間に亘って同じ船に乗ることになりますので、一部の者に過度なリスク負担を強いると、プロジェクトが行き詰まり、結局は全関係者に跳ね返ってきてしまう。だからこそ、関係者全員が満足のいくリスクシェアリングを実現する必要があるのです。その事実を、現地実査や関係者間協議等を繰り返すことで、身をもって理解できたことは、現業務にダイレクトに活かされています。
Q.ターニングポイントになったとの言葉もありましたが、この出向によって自分の身に起きた変化とは何だったのですか?
自分にとっての「仕事」とは、を考え直す機会となりました。株式会社はどうしても短期的な収益も追いかける必要があります。そのため、各種取り組みにあたり、短期的な収益と長期的な目線での取り組み意義との間で、悩むことが多くありました。しかし、政府系金融機関に身を置き、「日本および国際経済社会の健全な発展のため」という明確な意義のもとに働けたことで、仕事を通じて自分はどのように社会に貢献していきたいか、といったことを深く考えるようになりました。

長期的な目線で投資判断できるという強み

Q.転職先として、農林中央金庫を選んだ理由は何ですか?
それこそ政府系金融機関も考えましたが、私にとって大きかったのは子どもを授かったことでした。それまでは食の大切さを意識する機会もありませんでしたが、小さな身体で生まれた我が子が成長してゆく姿を見て、口に入れるもの、「食」の重要性と、食こそ「いのち」をつなぐ何より重要な要素であると気付かされました。安心・安全な食を安定的に供給することは、国民を守ること、国を豊かにすることに繋がるのです。農林中央金庫は、創設以来、「いのち」を生み「いのち」を繋ぐ農林水産業を支える金融機関として、日本経済の発展に貢献してきました。親になったからこそ、このパーパスに大いに共感を覚えました。また、そのもとで、これまでのキャリアを活かせるとあれば、願ってもない好機だと考えた次第です。
Q.現在は、どのような仕事をしていますか?
前職の経験をフルに活かせることから、プロジェクトファイナンス業務に従事しています。APAC(Asia-Pacific)班に所属し、当該地域の鉄道、太陽光発電所、風力発電所などのインフラ・再エネプロジェクトを中心に投資を実施しています。国内外の金融機関や、商社、ユーティリティ、再エネデベといった各企業と関わりながら、案件ソーシングから、交渉、ドキュメンテーション、内部調整、そしてクロージングまでを一気通貫で担当しています。案件によっては、海外拠点のローカルスタッフと協働で、オールパーティーミーティングでの交渉やドキュメンテーションなども行っています。
Q.前職と現職と、仕事を進めるうえでの相違点はありますか?
信託銀行も少数精鋭の組織であり、担当者が一気通貫で案件を進めていく、という点では大きな相違はないかと思います。ただ、農林中央金庫がユニークな点は、系統組織からの安定した資金を基盤としているため、長期的な視点に立った投資判断ができるということです。また、担当者の裁量が極めて大きく、担当者がイニシアチブを握りながら業務を進めていくことができる点も、大きな特徴だと考えています。そして、個人的なことで言えば、先ほども申し上げた通り、自分の仕事が農林水産業を支えることに繋がっているのだ、と意識しながら働けることも大変幸せなことだと感じています。

新たなことにチャレンジしていこうとする姿勢

Q.今はどのような問題意識、課題意識を持って、仕事に取り組んでいますか?
農林中央金庫では、担当者レベルにおいても、人を動かす力、マネジメント力を求められることが多くあります。これまでは、プレイヤーとして個人で仕事をすることが多かったので、これを好機と捉え、能力を身に付けていきたいと考えています。また、後進の育成も課題であると感じています。若手職員の成長はチームにとって必要不可欠であり、彼ら彼女らの力なくして質の高い仕事はできません。だからこそ、そこに力を注ぎたいと思っているものの、なかなか手が回らない。加えて、テレワークが増え、若手職員と直接会話する機会すら少なくなっている——。そんな悩みを先日部内のワークショップで打ち明けてみたところ、同じ課題意識を持つ方も多かったようで、経験値の高い担当者複数名で協力して「勉強会」を開くことになりました。対象は若手職員や新任担当者で、複数回に亘って開催しています。感染防止には気を付けつつも対面での開催とし、業務知識を身に付けてもらいつつ、同じ業務に携わるメンバーとのリレーションも構築するということが目的です。このように各自が抱える課題を持ち寄りながら、皆で解決していこうとする風土・文化は、誇れるところでもあります。
Q.今後、農林中央金庫で実現したいことは何ですか?
次のステップとしては、海外拠点でプロジェクトファイナンスを中心とした投資業務に従事したいと考えています。現在、部内においてサステナブル関連の取りまとめ役を担っているのですが、やはりこの分野で進んでいるのは欧州などです。ここで知見を積み、新しい領域を拡大・開拓していきたい。また、将来的にはその知見を日本に持ち帰り、ダイレクトに日本経済に貢献していきたいと考えています。
Q.これからの社会を見据えても、サステナブルは重要成功要因になりそうですか?
そう考えています。グリーンリカバリーやESGを含めた世の中の潮流などとともに、新たなインフラニーズが見込まれています。たとえば、浮体式洋上風力や水素社会インフラなど、中長期的に需要増加が見込まれる分野が既に複数存在しています。持続可能な地球環境の実現にあたり、これまでの再エネ等に加えて、そうした新しい分野にも積極果敢に挑戦していきたい。これは私が入庫して感じたイメージギャップでもあるのですが、農林中央金庫は新たな施策の検討に際して、部の垣根も超えて機動的に対応していこう、というチャレンジ精神に富んでいます。私としては、これから生み出される数々のサステナブルな取り組みに関して、「農林水産業への貢献」という農林中央金庫の目指すべき姿としっかりリンクさせながら、新しい分野を開拓していくことは不可欠であると考えています。それは同時に、未来の社会、未来の地球環境に対して、農林中央金庫にしか提供できない価値になると信じていますし、子を持つ親として、次世代に対し果たすべき責務だと思っています。