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JAやJFの事業運営を通して、
農業・くらし・地域を元気にしたい。

新井 洋輝HIROKI ARAI
リテール事業本部
JAバンク統括部
2014年入庫/政治経済学部卒

地方経済の活性化に取り組みたいと考え、大学卒業後の2011年に銀行に入行。中小企業・富裕層向けのコンサルティング&バンキング業務に従事し、2014年に農林中央金庫に入庫。福岡支店で福岡・熊本県域の一般法人や、福岡・佐賀県域の農業法人への貸出・出資、ビジネスマッチングを担う。続く岡山支店ではJAバンク部門総括担当として、JAバンク岡山の県域戦略立案、連合会との折衝、岡山県内のガバナンスを担当し、2020年より現職。

より高い視座で地方を元気にする仕事へ

Q.転職を考えるようになった理由は何ですか?
新卒の就職活動まで話が遡るのですが、私は学生時代に日本全国を旅していました。そのなかで、人の温かさ、食べ物のおいしさといった「地方の魅力」というものを肌で感じてきました。同時に、駅前の商店街がシャッター街となっているのを各地で見かけ、地方経済が衰退していくさまを目の当たりにしたのです。それだけに「将来は地方経済を元気にできる仕事がしたい」とずっと考えており、こうした自分の考えに一番共感してくれた前職の銀行に入行しました。営業としての仕事が長かったのですが、組織として「地域のため」「お客様のため」という意識が根付いており、顧客の中長期的な利益は何かをつねに考えて営業ができたため、非常にやりがいもあり楽しく仕事ができました。その一方で、地方を元気にしていくための方法として、個社ごとにアプローチしていくやり方には限界を感じるようにもなり、より高い視座で地方を元気にできる仕事はないものか——。そう考えるようになったことが、転職の理由でした。
Q.転職先として、農林中央金庫を選ばれた理由は何ですか?
転職活動を行うにあたっては、それこそ地方創生ファンドや、国家公務員の道も考えました。ですが前職において、税理士・コンサルタント・行政等を巻き込みながら案件をコーディネートし、お客様にソリューションを提案していく仕事が得意でしたし、好きでした。それだけに、こうした自分の強みを活かすことを考えると、やはり金融機関だろうという結論に落ち着きました。なかでも農林中央金庫では、地方における最大の資源とも言える「食」を育てていくことで地方創生、地域活性化へとつないでいくことができるのではないか、JA・JFの全国機関として県域・地域団体と連携しながら、前職よりも大きい仕事ができるのではないかと思い、転職先として選びました。
Q.転職前後で、イメージギャップはありませんでしたか?
自分のやりたかった仕事ができているという点ではイメージ通りでした。ただ、入庫する前はやや堅い、官僚的な組織という印象を持っていたのですが、実は自由闊達に意見が言える風通しのよい職場であったことは、いい意味でイメージギャップでしたね。また、担当者の裁量の大きさも想像以上でした。最初の配属先である福岡支店では法人営業を担当しましたが、メガバンク等であれば管理職が担当している取引先を、自分は銀行員になってわずか4年目にもかかわらず、担当させてもらいました。また、個社ごとの取引設計や案件は担当者が発案者となって支店長や本店と議論を行い、実際の提案まで主体的に担えたことは、大きなやりがいとなりました。こうした担当者一人ひとりの裁量の大きさは当庫の特徴ですが、現業務でもそのことをあらためて実感しています。

「JAバンク中期戦略」の立案

Q.現在は、どのような仕事をしていますか?
JAバンク中期戦略の担当として、3か年に1度策定を行っているJAバンク中期戦略、中期戦略に基づく単年度施策の立案を担当しています。JAバンクはひとつの組織ではなく、全国のJA、県信連、当庫で構成された、実質的にひとつの金融機関として機能する金融グループです。再編強化法を受け、JAバンクではJAバンク基本方針を定め、事業推進・健全性確保を一体的に行うこととしています。こうしたなかでJAバンク中期戦略は、一般企業でいう中期経営計画にあたり、本戦略に基づいて全国一体的な事業運営を行っています。その立案にあたっては各所管部と協議を重ねていく必要があるわけですが、私は議論のたたき台の作成や、各部との調整役としての役割を担っています。また、立案後は確定に向けて、県域団体・JAと協議・対話を行う必要があり、その調整も担っています。前職時代にリテール業務を経験していることを踏まえ、実務部署と同じ目線に立って仕事を進めているほか、実際に顧客対応も行った経験から、組合員・利用者の立場に立ったときに戦略の方向性は合っているのか、つねに考えながら業務を行っています。
Q.2022年からのJAバンク中期戦略の立案にあたっては、どのような議論が繰り広げられたのでしょうか?
SDGsや農村部を中心とした人口減少等を受け、JAの基盤である農業・くらし・地域の持続性を確保していくことへの期待も高まるなかで、あらためてJAの存在意義というものが強く問われています。JAバンクは農業・くらし・地域という3領域において、どんな付加価値を提供すべきなのか、農業・くらし・地域の形が多様化するなか、地域毎に異なる課題を解決していくためには「ステークホルダー」からの目線を起点とした事業展開が必要ではないか、といった議論を重ねてきました。実はこの「ステークホルダー」という概念を中期戦略に取り入れられたこと自体が、今回の議論のひとつの成果でもあると私は考えています。従前のJAバンク中期戦略では一体的事業運営を意識しすぎるあまり、ともすれば「あれやれ」「これやれ」というのが強すぎたように思います。現に私も岡山支店でJAバンク岡山の県域戦略立案を担当していた際は、「何で全国一律に『あれやれ』『これやれ』と言うのか。JAの現状はそれぞれに違うだろうに」と感じていました。それだけに今回の中期戦略の立案にあたっては、もっとJAの主体性を引き出せる、ボトムアップ型の枠組みを構築したいと思っていたのですが、それを議論の当初から皆で共有できたことは、私にとって感動的ですらありました。それというのも一般に中期経営計画というのは、自分たち起点(供給者からの目線)で「あれをやりたい」「これをやりたい」ということを盛り込んでいくことが多いなか、私たちはステークホルダー起点の、まさにステークホルダーのための中期戦略にしようとしたからです。
Q.それが実現できたのは、どうしてでしょうか?
一般企業でいう中期経営計画というのは、経営層がきっちりと考えて、それを下に降ろして実務を詰めていくという流れが多いと聞いています。今回のJAバンク中期戦略は、私を含めた各ユニットの若いメンバーでコンセプト段階から議論し、それを形にしていったからだと思います。担当者レベルでワイガヤし、キーワードを生み出し定義付けをしたうえで、それを役員に繰り返して当てていきながらまとめていくというやり方は、他の企業ではあまり見られないと思うんですよね。それができたのも、ひとつには担当者に大きな裁量を与える当庫の企業文化、風土があるからこそと考えています。そしてもうひとつは、時代が大きな転換点を迎え、価値観が大きく変わろうとするなかで、利益だけを追求するのではなく、全方位的に皆がよくなっていくにはどうすればよいかをつねに考えられるJAバンクは、きっとこれからの時代に役立てるはずで、むしろその中心となっていくべきだという思いを、担当者から役員まで、中期戦略の立案に関わった全員が一致して共有できたからだと思っています。

臆することない提案が付加価値に

Q.今後、どのような取り組みを進めていきたいと考えていますか?
今回走り出したJAバンク中期戦略は、私が本当にやりたかったことを幸いにも実現することができました。今後は、これを質的に向上させていきたいですし、精度も上げていきたい、というのが直近でやりたいことで、目標でもあります。さらに中長期的に言うと、その都度、時代は変わっていくし、農林水産業の置かれている環境や、JAの置かれている環境は変わっていくのですが、それをきちんとフォローアップし、適切な方向性を打ち出し、系統組織をリードできる。そんな皆を巻き込み強力に推進できるような人材になれるよう、一歩ずつ着実に今の仕事を頑張っていきたいと思っています。
Q.今後のキャリアプランについては、どのように考えていますか?
JAバンク部門の仕事について、概要みたいなところを理解することはできましたが、実務的なところでは知らないことが多いのも事実です。なので、自分のキャリアプランをより具体的に言うと、今後、デジタル化がどんどん発展していくなか、そこを幹にしなければ戦略を語れなくなる時代に絶対になるなと思っています。今でもそうだと思うんですよね。でも、そこの視座がどうしても足りないなと思うところがありますので、システムの領域は今後、自分のなかでも身に付けないといけないと考えています。いずれにせよ、当庫においては少数精鋭で業務を進めているだけに、どの部署に在籍しようとも高い視座で仕事ができることは間違いないので、当初からの自分の思いというものを実現させていきたい、そう思っています。
Q.最後に求職者に向けてメッセージをお願いします。
当庫は、自分を成長させることができる職場だと感じています。理屈が通っていて、周りを説得できるだけの材料があれば、役員ともフラットに対話ができる風土がありますし、逆に役員からはそれを望まれている雰囲気をつねに感じています。こうした環境のなかで責任をもって仕事を進めることで、実務的なスキルも養われますし、人を動かすマネジメント力も備わっていきます。これを繰り返すと高い視座の仕事ができるようになり、ボトルネックに対してもアプローチできるようになります。とりわけキャリア入庫者には「新しい風を吹かせてほしい」という期待が寄せられているだけに、疑問に思ったことや改善すべきと思ったことは、臆することなく提案することが自分の付加価値になると思います。かくいう私も支店時代、とあるJAの役員さんに意見具申したところ、「具体的な数字を持って、こんなにズバズバ物事を言ってきたのは君が初めてだ」となかば叱られましたけど(笑)、その役員さんは叱りながらも真剣に私の意見に耳を傾けてくれました。農業・くらし・地域の持続性を確保していくために何ができるのかを今、JAグループをあげて皆が本気で考えています。地域を元気にしたいという熱い思いをもった方には絶好の環境ですし、他社での経験を経た視点・視座は当庫でも活きると思っています。私自身、そういう働き方をこれからもしていきたいと思っていますので、有志の皆さん、一緒に頑張りましょう。