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地域職職員

長崎支店

事業伸長と健全性確保の両面でJAを支え、
地域社会を守り、未来につなげる。

森本 洋平YOHEI MORIMOTO
長崎支店 貸出強化班
2012年入庫/法学部卒

2008年、銀行に入行。1か店目では預金業務を3か月間経験した後、融資業務に従事。与信審査や融資事務、外為業務などの法人融資業務を主に担当。2か店目では、法人向け融資業務のほか、個人向けアパートローン審査を行う。また、住宅ローンの推進を担当し、とくに他金融機関からの借り換えに力を注いだ。2012年、農林中央金庫に入庫。当時の業務三班、業務一班、そして業務二班と、リテールビジネスにかかるほぼすべての領域を経験し、2021年より現職。

地域職なら転勤もないし、地元にも貢献できる

Q.前職では、どのような仕事をしていたのですか?
銀行で、一貫して融資業務に従事していました。1か店目は大阪の難波支店で、個人商店から上場企業まで、かなり幅広くお取引させていただきました。大阪ミナミという場所柄、個性豊かなお客様が多く、今日はどんな出会いがあるのかと、ただそれだけでも毎日が楽しかったですね。一癖も二癖もあるようなお客様を相手にしてきましたので自ずと対話力も磨かれましたし、ボケとツッコミの文化に鍛えられて度胸も据わりました(笑)。その後、2か店目は郊外へと移り、法人向け融資業務に加え、住宅ローン、とくにほかの金融機関からの借り換えの推進を担っていました。担当地区をくまなく歩き、築10年くらいのお宅を見つけては門を叩いていました。平日の昼間ですので奥様方ばかりでしたが、家を建てられたときよりも低い金利でのご提案ができたため、皆さんも興味を示してくださって。担当地区で顔が知られ、ご近所さんの井戸端会議にも参加させてもらえる頃には、「ちょっと、○○さんから聞いたんだけど、うちもどうか見てくれへん?」と、面識のなかったお客様も支店に足を運んでくださるように。こんな世話好きな大阪のおばちゃんたちとの人情味あふれる仕事もまた、楽しい思い出です。このあたりの経験は、現在のリテールビジネスにダイレクトに生かされている部分でもあります。
Q.転職を考えるようになった理由は何ですか?
結婚をし、子どもが生まれたときに、妻や子どもの負担も考えて、全国転勤を伴う仕事に不安を感じるようになったんです。老いていく両親たちのことも気がかりでした。それに私としても、生まれ育った長崎が好きでしたし、いつかは地元に貢献したいという気持ちもどこかにあった。だったら妻も同じ九州、福岡出身だし、地元に帰ろうと。
Q.転職先として、農林中央金庫を選んだ理由は何ですか?
自分のキャリアが生かせるうえに、地域職なら転勤もない。それに何より農林水産業に貢献ができる、というのが理由です。長崎は観光地として有名ですが、主力産業はやはり、農林水産業なんですね。だから地元に貢献しようと考えたときに、農林中央金庫が果たせる役割の大きさは魅力的でした。とはいえ、正直に申し上げると、この時点では当庫のリテールビジネスを的確には理解できていませんでした(笑)。
Q.いわゆる「JA推進業務」のイメージがつかめていなかったと?
そうです。転職サイトなどには「サポート」という言葉もよく出てきたのですが、「JAのサポートをするのだろうな」「まあ、縁の下で支えていくのは自分の性にも合っているし」くらいの認識でした(笑)。ですから入庫して驚いたのは、当庫は支店であっても本部機能の発揮が求められているということ。前職、というよりも世間一般の銀行の支店業務との大きな違いでしたが、私にとってはうれしい誤算でした。まさかこれほど幅広く、自らの影響力を行使できるとは思いませんでしたので。

推進業務の本質は「相手を動かし成果へ導く」

Q.入庫後、どんな仕事をしてきたのですか?
最初に当時の業務三班というところに配属されて、JAが利用しているシステムや事務手続きにかかる企画管理を担当しました。加えて、JAの貸付担当者を対象にした研修も実施しました。私が講師役となり、テキストも自分の手でゼロからつくって講義したのですが、本当に素晴らしい経験でした。私が前職で培った知見、ノウハウを惜しみなくお伝えしたつもりですが、同班に在籍した3年間ずっと続けていたので、気付けば教え子が50〜60人にものぼっていました。あれから7〜8年が経ちますが、今もって「先生」と親しみを込めて呼んでもらえるだけでなく、現業務においてはその教え子たちが私の講義内容を実践し、活躍している姿を目の当たりにすることもできています。自分の経験がこんな形で生かされるとは夢にも思いませんでしたので、これひとつとってみても、農林中央金庫に転職してよかったと実感しました。
Q.その後は、どんな仕事を?
業務一班というところに異動し、JAの健全性確保に向けた取り組み支援や、経営面のサポートを行いました。事業伸長にかかる業務を「アクセル」に例えるなら、ここでの業務は「ブレーキ」ですね。経営状況の確認や自己資本比率の算出にはじまり、公認会計士監査への対応といった内部統制整備、記者会見対応など、その業務は事業伸長以外のすべてという感じで多岐にわたりました。ですので、何をするにも調整が必要であり、支店内各班との調整、JAグループ内各組織との調整と、まさにあちこち奔走していました(笑)。こうした業務というのはどれをとっても、前職などでは本店の専門部署が行うことであり、まして支店勤務の担当者レベルでは無縁のことばかり。はじめて尽くしで、「正直、よくわからない。どこから手を付けるべきか……」ということが多々ありました。
Q.どのように進めていったのですか?
当庫の風土、文化に助けてもらいました。支店内にはキャリア採用で入庫してきた人も多いのですが、多様な分野で活躍してきた経験豊かな人たちの知見を借りることができましたし、もちろんプロパー職員である支店の仲間や本店所管部もサポートしてくれました。とにかく面倒見のいい人たちばかりですので、さまざまな形で助力を得ながら進めていきました。これは、入庫して働くなかで実感してきたことですが、推進業務の本質は「相手を動かし成果へ導く」ことにあります。前職の「自分が動いて結果を残す」こととの大きな違いですが、ここでいう相手とはJAの職員であり役職員。そうやってJAという組織を盛り立て、組合員利用者に提供するサービス品質をレベルアップさせながら、各JAの目標や県域目標を達成していく仕事は、到底、個々の担当者だけで実現できるようなものではありません。それをチームで達成しようとする当庫のチームワークの良さ、そこから生まれるダイナミズムは、推進業務の醍醐味でもあります。業務一班の後に業務二班へと移り、県内全JAに対してではなく、特定の2つのJAに対し、その事業伸長に向けた取り組みを実践的にサポートする業務に就いたのですが、推進業務の本質、醍醐味に変わりはなく、むしろその理解が深まるほどに仕事にのめり込んでいきました。

大きな構想を頭に置いたうえでの仕事をしてなんぼ

Q.現在は、どのような仕事をしていますか?
貸出強化班に所属し、まさに先ほどの「アクセル」部分、県内7JAにおける農業融資やJAバンクローンの残高伸長に向けた企画立案や実践的指導を行っています。前職での経験、そして入庫後の業務を通じて広めてきた見聞を踏まえ、より一段高いレベルで仕事をし、広範にわたり成果を上げていくことを期待されているのだと理解しています。そこで目下、力を入れて取り組んでいるのが、前職で推し進めてきた住宅ローンをはじめ、マイカーローンや教育ローンといったJAバンクローンの推進です。PR施策をはじめとした推進手法の検討に加え、実際に現場へ同行しながらの実践指導を行っています。JA担当者と一緒に現場を歩いていて感じるのは、ローン推進のための各種施策を企画立案するにしても、画一的な内容にするのではなく、各JAの特性に合った施策、何より各地域の特徴を踏まえた施策を検討することの必要性です。長崎県は五島、壱岐、対馬など多くの離島を抱えており、極論すれば島ごとに生活環境は大きく異なります。こうした地域性を的確に把握し、それぞれに最適な施策を打ち出していくには相応の時間もかかりますが、同じ長崎県で暮らし、地域の人たちとともに年齢を重ねていく私たち地域職なら、その実現は決して不可能ではないと考えています。お客様である組合員のライフステージ、地域の生活環境の変化にずっと寄り添っていけるので、異動があったとしても同じ長崎支店内。お客様たちとの関係性が断たれることはなく、つねにJAグループ内の関係部署へとつないでいける。これはJAが総合事業体であるという点でも、大きな意味を持つと思っています。
Q.つまり、信用事業だけを見て仕事をしているわけではない、ということですね?
その通りです。ひとたび住宅ローンをお申し込みいただければ、そこから長期にわたる関係性が生まれ、リフォームローンやマイカーローン、教育ローンといった小口ローンへと展開可能です。そこで火災保険や自動車保険などのニーズが生まれれば、JAの共済事業へとつないでいけるし、とくに農業を営むお客様との雑談のなかから営農に関する悩みを聞きだした際には、営農指導事業につないでいける。同様に、販売についての相談なら販売事業につないでいけるし、もしかしたら当庫の食農ビジネス部門が役に立てるかもしれない。Ag Venture Lab(アグベンチャーラボ)につないでユニークな取り組みに仕立てることもできるかもしれないし、大規模にやるならJAグループをはじめとするさまざまな組織の協力を取り付けてもいいかもしれない。とにかく当庫が担う信用事業というのは、総合事業体であるJAの稼ぎ頭であるだけでなく、提供するサービスを通じてお客様である組合員の生活に深く入り込める。だからこそ、JAの総合事業を盛り立て、ひいては地域の暮らしや農業を活性化させていくことができる。当庫の職員、とくに地域に根ざす地域職は、そうした大きな構想を頭に置いたうえでの仕事をしてなんぼ。そんな風に考えています。
Q.楽しく仕事をしているようですね?
本当に面白いですね。前職では、ここまでの構想を描きながらの仕事はできなかったと思います。目の前のお客様で手いっぱいでしたし、そもそも先ほどのような青写真が描けるのも、総合事業体であるJAという存在があればこそ。長崎に戻ってきてあらためて感じるのは、田舎に行けば行くほど、JAの存在は社会基盤そのものであるということなんですね。そのJAがこれからも農業と地域社会をしっかりと支えていくためには、経営を安定させることが必要不可欠です。まして今はSDGsの達成に向けた各種取り組みに直接、間接問わず関わっていけるキープレイヤーとして、期待もますます高まっています。それだけに事業伸長という「アクセル」と、健全性確保という「ブレーキ」と。ようやく私もその両方のペダルを操作する術を身に付けたからこそ、JAの安全運転をしっかりと支える仕事をしていきたいですし、地方から持続可能な社会の実現を模索していきたいと強く思っています。実は先日も、妻や両親たちが子どもたちと楽しそうに過ごす姿を見ながら、ふと思ったんですよね。家族の満足が一番と考え決意した転職だったけど、実は誰よりも満足を得ているのは、こうしたやりがいのある仕事にめぐり合えた自分自身だったなと。