家庭の事情が、自分の弱みとならない職場
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Q.どうして転職しようと思ったのですか?
- もともと大学では数学科に在籍していたのですが、確率統計や情報系の講義も多かったこともあり、ゆくゆくはシステム関係の仕事がしたいと考えていました。鉄道系や流通系のICカードが登場して以来、キャッシュレス決済がどんどん普及していくような世の中でしたし、お金に携わるシステム、お金をツールとして不自由のない暮らしを実現するサービスを提供できたら面白いんじゃないかなと。そこで、就職活動当初は金融系のシステム会社をメインに回っていたのですが、活動を進めていくうち、要件を決めるのは製造元ではなく発注元であることを知り、そこからは金融機関に的を絞り、自分がやりたいことが実現できるのはより大きな会社と考え、規模の大きい銀行に入行しました。ただ、当時は折悪しくリーマンショック直後ということもあり、採用人数も少なく、ほぼ全員が営業部門に配属されていました。かくいう私も最初に法人営業の部署、続いて資本提携やM&Aなどの推進を担当する部署に配属されたのですが、自分のキャリアを考えたときに、次の異動先を会社がどう判断するのかすごく不安を感じるようになったのが、転職を考える大きな理由でした。
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Q.前職でもシステム部門への配属については、希望を出されてはいたんですよね?
- もちろん出してはいましたが、大きな組織でしたし、総合職で入行していましたので、必ずや自分の希望がかなうという確証を得られませんでした。それに転職を考える2つ目の理由として、娘の保育園がやっとの思いで決まったこともあり、その保育園を変えたくないというのもありました。転勤をともなう異動ともなれば、また一から保育園を探さなければなりませんから、生活の拠点を移すことには大きなためらいがありました。
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Q.それで農林中央金庫の総合職(事務・ITコース)を選ばれたわけですね?
- はい。勤務地が東京に限定されていますから生活の拠点が変わる心配もないですし、何より私が当初から興味を持っていた金融システムに従事できるということで、願ったり叶ったりでした。それに入庫してうれしく感じたのは、働く女性、子育て中の職員に対する職場の理解の深さでした。転職活動時も幼い子どもがいることを知ったうえで私を採用してくれましたし、現在も、上司をはじめとする職場の人たちとの日常会話のなかで普通に家庭の話もできるので、子どもに何かあっても気軽に相談できる雰囲気があります。私の場合、2人目の子どもが保育園に入ったばかりということもあり、上司からも「お子さん、元気?」「保育園からの呼び出しはない?」と、折に触れて声をかけてもらっていますが、こうしたひと言がどれほどありがたいことか。前職では自他ともに「家庭の事情は自分の弱み」と考える風潮があり、誰もが「自分の弱みを見せてはいけない」と気を張っていましたから、今はとても働きやすいですね。