社内外のリソースを使って
さまざまな手法を模索し、
お客様のニーズに応えていく。

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FOOD&AGRI BUSINESS

矢寺 史椰

FUMIYA YADERA

営業第三部

2015年入庫 政治経済学部卒

PROFILE

金融を通じて企業活動を支援していきたいという想いから銀行業界を志望、自由闊達な雰囲気に魅せられ農林中央金庫への入庫を決める。入庫後は希望した営業部門に配属され、営業第四部で食品業界のお客様を担当。法人営業の基礎を身に付け、2019年5月より現部署。現在は、農林中金グループのリース会社と連携して各部支店の取引先に総合提案を行うなど、非金融面の取り組みにも力を注ぐ。プライベートではイクメンを実践中。

事業の親和性の高さを生かし、お客様と一緒に営業する

Q
今はどんなお仕事を
されているのですか?

法人営業です。私が所属する営業第三部では、電気、通信、物流、自動車、鉄鋼業界といった幅広い業種の企業に対する営業を行っているのですが、なかでも私はリース業界のお客様、とくに日本を代表する大手企業のお客様を中心に担当しています。

Q
リース業界は今、
どのような状況に
ありますか?

各社ともに海外の需要を取り込むことに注力しており、事業も拡大局面にあります。事例としては、お客様の海外進出にともない、その設備投資を支援するケースが増えています。たとえば、日系企業が海外で工場を新設する際に、建物や設備、機械をリースする、といった形ですね。コロナ禍の影響により、今後も日系企業の海外進出にともなうリースのニーズは高まることが予想されています。

一方で、海外企業との取引も増えており、わかりやすい事例では、途上国の航空会社、新興国のLCCに対し、航空機をリースしたりしています。航空機は1機数百億円もする高価なものですので、手元にキャッシュがない国や企業にとっては、自前で購入するには初期投資がかかりすぎてしまい、経営の大きな足かせとなってしまいます。しかし、リースであればコストも平準化されるので、経営を安定させることができます。

こうした事例からもおわかりのとおり、成長過程にある国や企業ではリースの需要はとても多く、そのマーケットも同様に成長過程にあると言えます。よってリース業界は各社とも、海外で顕在化している需要を取り込むべく、事業の拡大に力を入れているというのが昨今の大きな流れとなっています。

Q
事業が拡大局面に
あるということは、
そこに資金需要が
発生するという
ことですね?

そのとおりです。リース会社というのは、モノを貸すことを生業とする以上、モノを自分たちで購入して用意しなければなりませんので、事業を拡大すればするほど資金が必要になるというのが大きな特徴と言えます。しかもリース会社はモノだけでなく、ときにカネも貸したりすることから自前で資金調達することも得意としていますが、コロナ禍以降は市場も不安定であるため、従来と比べると銀行に頼るウエイトが大きくなっていますね。

つまり、担当である私にとっては大きなビジネスチャンスが到来しているわけですが、面白いのはリース会社と銀行というのは「モノを貸す」「カネを貸す」という違いはあるにせよ、「貸す」という点で非常に親和性が高く、私たちは一緒に営業することもできるのです。

30億円規模のストラクチャードファイナンスを実施

Q
お客様と一緒に
営業するとは、
どういうことですか?

私が実際に手掛けた30億円規模のストラクチャードファイナンスなどは、その最たる例と言えるかと思います。リース会社の業績ではなく、リース会社が保有するリース債権、言い換えればリース先の業績を判断根拠にした、弾力的な運用ができる融資に仕立てました。これによりリース会社と農林中央金庫が一緒になって、そのお客様に対し「このプライスでどうですか?」という営業ができました。

Q
その手法だと、
どういうメリットが
あるのでしょうか?

まず、リース会社のお客様は、安い料金でモノを借りることができます。次にリース会社は、通常より低いレートを提示することができるので、ふだんの営業活動ではなかなかリース契約を結べなかったような案件やお客様を獲得することができます。そして当庫は、リース会社の先のお客様に認知してもらえるため、顧客基盤の拡充につながります。

Q
どんどん実績を
増やしていきたい
手法ですね?

私もそう思っているのですが、実は当庫のストラクチャードファイナンスの対応実績はそれほど多くないのが実状です。なぜかというと、個別性の強い融資となるため、手間と時間がかかるからです。現にメガバンクでは分業して対応している領域ですが、当庫は職員数も多くないため、先ほどの事例も営業担当である私が中心となり対応しました。

社外的には三社間の取引となりますので、契約書だけでも10数式におよび、細かな条件や文言のすり合わせにはとても苦労しました。当庫の過去の事例を参考に相違点をあぶり出し、外部の弁護士の知見も借りながら、本件に落とし込んでいくようにして進めました。

また社内的には、設定した金利や期間が妥当なものであるかといった検討や審査はもちろんのこと、会計上の取り扱いはどうするのか、そもそも農林中央金庫として対応してよい案件なのかなど、私が主体となって各セクションと調整し、合意形成を図っていきました。

数字だけを見て融資するという時代ではない

Q
お話を聞く限りでは、
かなり骨が折れる
手法なんですね。

そうなんです。でも、どんなに手間がかかろうとも、こうした事例や実績をどんどん増やしていくべきだと私も思っています。付加価値をつけてこその仕事ですし、そもそも銀行業は「数字だけを見て融資する」という時代ではなくなっています。お客様の事業性を的確に把握し、財務諸表からは見えてこない技術や取り組みを理解したうえで、金融というツールをどうアジャストしてお客様の事業拡大に結びつけ、自分たちのリターンを確保するかを考え抜くことが重要です。

私が担当するお客様も、通常の運転資金の融資だけでなく、M&A資金や為替スワップ、金利スワップ、海外銀行との取引に対する保証など、多様な金融ニーズを有しています。ここで、仮に従来の手法では対応できなかったとしても、私は諦めずに別の手法を考えるようにしています。

実はご紹介した30億円のストラクチャードファイナンスも、そうして実現した融資でした。通常のコーポレートファイナンスでは、これほどの金額、低利の融資は難しかったですし、この融資がなければリース会社もその案件を獲得できなかったかもしれません。当然、当庫の存在をリース会社のお客様に認知してもらうこともできなかったことを考え合わせても、私はこれからも「ダメなら別の方法を考える」ということには、こだわっていきたいと思っています。

Q
そのあたり、
今後の抱負でも
あるわけですね?

はい。私は提案の幅を広げていくことで法人営業を極めたいと思っていますが、そのためには法人融資の仕事だけでは不十分だとも考えています。今後は企画セクション、投資セクションなども経験し、そこで蓄えた知見、築いた人脈のもとに、最終的には幅広い金融ソリューションを提供できる人材になることを目標としています。

とくに第一次産業にリスクマネーを供給する当庫では、第一次産業と直接関係のないお客様との取引は、投資部門と同様に「運用」という側面があります。ここでの収益がリスクマネーの原資にも充てられる以上、私はあえて競合他社と同じ土俵に立ち、多様な金融ソリューションを提供することで競争に勝ち、お客様の事業拡大に貢献しながら適切なリターンを得ることで、日本の農林水産業の発展に貢献していきたいと考えています。

せっかく、自分の個を押し殺すことなくのびのび働ける風通しのよい職場であり、周囲の協力を得やすい環境に身を置いているのですから、こうした環境をフルに活用することにより、従来の型には収まりきらないような融資や投資にもどんどんチャレンジして、創造的で楽しい、そしてお客様の役に立つ、そんな仕事をしていきたいです。

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