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EDUCATION FIELD

Interview

ダイバーシティ推進班
兼 人事企画班 兼 人事IT企画班

椎名 沙樹

SAKI SHIINA

誰もが働きやすい職場を実現するための各種制度づくり

Q1. 職員が長く働きやすい環境とするために、どのような制度が用意されているのでしょうか?

産前産後休暇と育児休業のほか、産休・育休取得者向けのサポートプログラムや育児短時間勤務を用意しています。また、看護休暇や介護休暇については、従来導入していた半日単位や終日単位に加え、2021年4月から時間単位で取得できるようにしています。このほか、新型コロナウイルスの影響もあり、時差勤務・テレワークについては、活用する職員が大幅に増えました。そこで、2021年4月からは、時差勤務およびテレワークをより柔軟に活用できるようにしました。時差勤務については、これまでは30分刻みで前後90分の時差を認める形でしたが、10分刻みで前後120分の時差を可能にしました。これにより2時間前倒しの早時差で勤務し、夕方早くに仕事を終える人も増えています。テレワークについても、これまでは対象となる職員や回数に制限を設けていましたが、これをすべて撤廃しました。また、半日単位もしくは終日単位で可能としていたところ、短時間利用も可能としましたので、午前中は会社で仕事をし、午後は自宅で仕事をする、あるいはその逆の形で仕事をするなど、より職員が各々の生産性の高い時間帯に効率的に働くことができる制度として、全職員が柔軟に活用できる仕組みとなっています。

Q2. 総合職の場合は転勤がありますが、こちらについてはどのようなサポートが用意されていますか?

私は入庫4年目に富山支店に異動しましたが、それまでずっと東京で暮らしていましたので、土地勘のないところでの生活に不安を感じていました。しかし、住宅については、支店の方で用意をしてもらえるなど、サポートをしていただけたので助かりました。
また、制度面以外の少し個人的な話にはなりますが、地方暮らしに必要な車を購入する際も職場の先輩が付き添ってくれたり、そのほかにも、富山で楽しく暮らすためのさまざまな情報(例えば、どこどこのお店のご飯が美味しいなど)を、地元出身の人たちが教えてくれましたので、生活面での当時の不安は直ぐに解消されました。若手の職員も多かったので、休日も一緒に遊びに出かけたりと、楽しく過ごすことができました。

女性職員を対象としたアンケート調査を実施

Q3. ほかに、とくに女性の働きやすさを実現するために取り組んでいることはありますか?

女性職員を対象としたフォーラムや研修などを実施しています。これを自らのキャリアについて考えるきっかけづくりとしてもらうとともに、女性職員同士のネットワークをつくる機会として活用してもらっています。例えば、キャリアアップを目指すにあたって、管理職というのは、朝から晩までバリバリ仕事をし、男社会のなかでも時間をかけて成果を上げた人が登用される、というイメージがつきまといがちです。事実、そのイメージのもとに、仕事と家庭の両立が難しく、「自分には到底無理」と管理職になりたくないと思う女性職員も少なからずいます。そこでフォーラムや講演会などを通じてやりがいや楽しさ、そして悩みなどを知る機会としてもらい、仕事の励みへと転化してもらう取り組みを進めています。そのうえで自分らしく、生き生きと働く姿を後進に示すことで、従来のイメージを払拭してもらい、女性職員が前向きにキャリアアップを考えていくことができる環境をつくっていきたいと考えています。なお、女性が継続してキャリアを形成していくことのできる制度としては、「退職者エントリー制度」というものも設けています。女性職員の退職理由のなかでも多いのは、配偶者の転勤によるものです。そこで、一度退職した職員についても再度エントリーを可能とする制度として整備しています。

Q4. 各種制度やサポートについて、女性職員の反応はどうですか?

2021年度に初めて、女性職員を対象としたアンケート調査を実施しましたが、各種制度が充実している・利用しやすいと回答している職員はおよそ9割を占めている状況であり、「働きやすさ」については多くの職員が実感しているようです。また、ここまでにご紹介した取り組みに基づき、2021年2月には、厚生労働大臣の「プラチナくるみん」認定も受けており、産休・育休のようなライフイベントを経た後も、継続して仕事ができる環境が整っているものと考えています。しかしながら、まだまだ取り組みとしては不十分で、課題は多いと考えています。

女性活躍推進について議論するワーキンググループ

Q5. そうした課題を解決するには、どういった取り組みが必要だと考えていますか?

人口が少なくなり、高齢者比率も増加していくなかでは、女性という観点に留まらず、例えば男性でも、育児や介護などのさまざまな事情で、時間に制限のある職員は増えてくると考えています。そのなかで、さまざまな職員が平等に活躍できる環境を整えることは、さまざまな立場からのインプットにつながり、さらに価値のあるアウトプット創出へとつながっていくと私たちは考えています。当庫では、短期育児休業を10営業日までであれば有給にする制度を導入していますが、近年は10営業日以上取得する男性職員も徐々に増えてきています。こうして家事の一部を引き受けることで、「食」の大切さを再認識したり、あるいは地方で暮らす親の介護に直面することで、過疎化や高齢化が進む地域の「くらし」を守ることの重要性を身をもって知ったという職員もいます。仕事一辺倒ではなく、家庭と両立させた生活を送ることが、その後のパフォーマンスにもよい影響を与え、結果として組織としての発展にもつながると考えています。とりわけ、当庫の事業は「食」や「くらし」と直結したものだからこそ、多様な生活から得られる気づき・発見は、自分たちの業務の糧となります。この点でワークライフバランスの実現、ダイバーシティへの取り組みは、当庫において優先度高く取り組むべき課題と考えており、そうした意識を組織全体に浸透させていくことが必要不可欠だと思っています。そこで2021年の夏には、各部署から女性職員に集まってもらい、女性活躍推進について議論をするワーキンググループを立ち上げました。さまざまな立場の職員が意見を出し合い、他業態の事例なども踏まえながら、当庫において今後、どのような取り組みが必要なのかを真剣に議論しています。

Q6. ワーキンググループでは、どういった意見が上がっていますか?

まずは役職員の意識改革が重要であり、このほかキャリアアップをイメージできる機会を創出することや、時間単位の生産性による評価の仕組み、今ある制度のさらなる見直しなどの観点が重要という意見が多く、それぞれ具体的な取り組みに向けて検討を進めているところです。制度の拡充としては、すでにフレックスタイム制の導入に向けて具体的な検討に入っていますが、今後は役員からもワークライフバランスについて自らの考え方を発信してもらったり、女性職員のキャリア開発のために、外部のメンターマッチング制度を活用できないかといったことや、働いた分の時間で出した成果ではなく、限られた時間のなかで出した成果で評価できないか、といったことも検討していきたいと思っています。また、今ある制度の見直しとしては、男性のさらなる育休取得促進に関する施策などといったことについても、さらに議論を深め、具体的に検討していきたいです。すでにライフイベントを経ている人、これから迎える人、さまざまな立場の職員がいるなかで、すべての職員が当庫での仕事のやりがいを感じ、充実した生活を送ることができるよう、職員の意見を取り入れながら、新たなことに取り組んでいきたいと考えています。

Profile
ダイバーシティ推進班
兼 人事企画班 兼 人事IT企画班
椎名 沙樹
創造理工学部を卒業後、2012年に入庫。システム企画部(現・IT統括部)に配属され、2年目にはNIC(農中情報システム)に長期外勤。インフラであるシステムがどのようにつくられているのかを学んだ。2015年には富山支店に異動し、JAバンク富山の運営のための各種企画や広報業務に従事。2018年にはJAバンク業務革新部へと移り、全国のJAの事務効率化に資する企画やインフラ整備を担う。在籍時には担当する北陸、関東地区などの信連・JAを訪問しては、収益確保や事務効率化に関する議論を多数実施した。そして2021年より現職にて、主に人事制度改正や働き方改革・女性活躍推進に関する企画を担当している。