私たちの
人材育成への
考え方

EDUCATION FIELD

Interview

人材育成班 兼 人材採用班

久保田 紘史

HIROFUMI KUBOTA

新入職員のために用意された研修プログラムとは

Q1. 入庫1年目の新入職員には、どのような研修が用意されているのでしょうか?

入庫後、まずは〈新入職員受入研修〉に参加いただきます。ここでは社会人として働くための基本的なマナーやスキルに加えて、農林中央金庫の理念や農林水産業に関する知識も学び、農林中央金庫職員としての基礎を固めていくことを目指しています。研修期間中には豊洲市場にも足を運び、マグロの競りの様子なども見学してもらいます。配属部店によって携わる業務はさまざまですが、どのような業務に就こうとも、私たちが果たすべきは「農林水産業の発展に資する」ことだという、その自覚を養っていただきます。また、研修では座学だけではなく、グループワークやグループディスカッションにも力を入れています。農林中央金庫の業務では、ひとりで最後までやり切るという内容のものだけではなく、むしろ規模も大きく、長期にわたる仕事を、皆で協力し合いながら進めていくところに、業務の面白さ、醍醐味があります。ですから、グループワークを通じて早い段階から協働する重要性を知っていただくとともに、周囲のメンバーと一緒に何かの課題に取り組む力を身に付けることも、研修の重要な目的としています。

Q2. 〈新入職員受入研修〉のほかには、どのようなプログラムがあるのですか?

新入職員には、〈JA現地研修〉〈農業法人現地研修〉があります。地域のJAや農業法人に訪問し、現場を肌で感じることで、JAグループや農林中央金庫の仕事の意義や目的をより深く理解いただきます。私もJA研修では、農家の方と一緒に取り組んだ農作業や、JAの店舗やさまざまな施設での研修を通じて、都市生活では体験することのできないさまざまな経験を積み、農林水産業の重要性を頭ではなく体全体で理解した非常に印象深い体験でした。農家さんやJA職員の農業にかける熱い思いに触れて心が動かされましたし、「この人たちの役に立ちたい!」と素直に思いました。その後も業務を通じて、そうした思いに駆られることが何度もありましたが、私自身、迷ったり挫けそうになったりしたときに思い出すのがこうした体験であり、抱いた思いでした。「農林水産業の発展に資する」という大義は、私たちの大きな支え、力となります。
また、1年目が終わる3月頃には、入庫後1年間の振り返りを行い、2年目以降の更なる成長に向けた〈1年目研修〉の機会を用意しております。

研修や制度には、どんなメリットがあるのか

Q3. 新入職員向けの研修は、かなり現場を意識した内容となっているのですね?

人事部としても、その点を重視しています。冒頭の〈新入職員受入研修〉なども、企業によっては2〜3か月、あるいは半年と、かなり時間をかけているところもあるなかで、農林中央金庫では約2週間という短期のカリキュラムとなっています。私もそうでしたが、やはり現場で業務を行うことで初めて分かることも多分にありますので、4月の研修で身に付けてもらうのは必要最低限の知識、スキルまでとし、その先は〈教育責任者・指導係制度〉、つまりOJTを通じて先輩職員や上司の指導やサポートを受けながら実地で学んでもらうようにしています。また、併せて〈メンター制度〉を導入しております。これは異なる部署の経験豊かな先輩職員と定期的に面談を行うほか、先輩職員の業務を一部体験する制度です。新入職員たちにも好評で、相談の場としてだけでなく、部署の異なる先輩職員の仕事内容を知ることで、自分自身のキャリアプランを考える、キャリアアップのイメージを図る場としても、活用されています。

Q4. ちなみに中堅職員、管理職向けとしては、どのような研修・制度があるのでしょうか?

〈キャリア開発研修〉や〈階層別研修〉、〈スキル習得研修〉などを用意しています。農林中央金庫ではキャリアを等級で分けており、等級ごとに求められる行動が設定されています。そして〈キャリア開発研修〉については、「5年目」などの節目の年で実施しており、次の等級の行動水準を身に付けるためにはどうすればよいのか、どんなスキルが必要なのかを学んでいきます。また、〈階層別研修〉では、「新任管理者研修会」「部長・支店長研修会」といった具合に、その役職に求められる知識やスキルを学ぶ内容となっています。
そして、近年は〈スキル習得研修〉に特に力を入れております。これは、「課題解決力」や「周囲を巻き込む力」、「マネジメント力」等、職員個々人の強化したい、伸ばしたいスキルに応じて、自由に応募する形式を取っており、農林中央金庫では学ぶ意欲のある職員に対して、スキルアップの機会を幅広く用意しております。

壮大で、やりがいのある仕事をしていくために

Q5. 農林中央金庫では将来的に、どのような人材に育つことが求められているのでしょうか?

今日の農林中央金庫が取り組む課題は多岐にわたるうえ、その内容も複雑、かつスピーディに変質しています。このような環境下では、従来のゼネラリストとしての対応だけではなく、今後はスペシャリスト・専門性が求められる場面がますます増加していく見込みです。そこで職員には、どこの領域で専門性を持っていくのか、どのように会社へ貢献していくのかを自分自身で決めて、主体的に知識・スキルの習得を図り続けられる人材になって欲しいと考えております。自分の得意分野を見つけたら、その能力を伸ばしていくことを求めていますし、組織を挙げてその取り組みをサポートしていける研修や制度の導入を推し進めています。また、農林中央金庫では、上司・部下間の1対1で、落ち着いて話し合える〈1on1ミーティング〉を導入しており、定期的に将来のキャリアなどについて自身で考える・相談できるような場も設計しております。

「人材マネジメント改正とキャリア形成」はこちら>

Q6. 本人の意欲次第で、いかようにも道が切り開けそうですね?

人事部ではそう考えていますし、そうあって欲しいと願っています。農林中央金庫は現行の中期経営計画のなかで、「変化を追い⾵に、新たな価値創造へ挑戦」と掲げています。この目標を達成するためには職員一人ひとりが、新たな事業戦略を実現できる能⼒と意欲を有した人材になることが重要です。同時にJAグループそのものが、農林水産業の成長産業化に向けて大きく変わろうとしているなかで、各人が農林中央⾦庫、そしてJAグループの戦略や⽬標を理解し、⾃発的な貢献意欲、挑戦意欲のもと、各々の得意分野で成⻑していく姿こそが理想です。 そのために人事部としても、職員の自律的なキャリア形成に資する人材育成メニューの充実化を今後も一層図っていきたいと考えております。具体的には、これまでお伝えしてきた「研修」だけでなく、 “いつでもどこでも学べる”オンラインの学習コンテンツの導入をはじめとして、知識習得やスキルアップする機会の提供を強化しております。したがいまして、本人の意欲次第では、学ぶ・成長するチャンスは広がっております。
個人的に思うことは、会社の研修や制度をフルに活用して磨いた能力を、目の前にいるお客様のために役立てることで、農林水産業の発展、ひいては日本経済の発展へと繋げていける、これほど壮大でやりがいのある仕事は、そうはないだろうということです。そして、各職員の成長に向けて、引き続き人事部としてしっかりと後押ししていきます。

Profile
人材育成班 兼 人材採用班
久保田 紘史
経済学部を卒業後、2010年に入庫。初任地の高松支店では法人営業を担当。2013年に大阪支店に異動しJA推進業務に従事。2016年より系統人材開発部にてJA職員等向けの人材育成を担当した後、2019年より現職。リテール事業を中心にさまざまな業務に携わってきたが、現在は人材育成担当者として、農林中央金庫職員向け育成施策の企画・運営を担当している。