CORPORATE
和田 真渚美
MANAMI WADA
市場業務マネジメント部
2010年入庫/農学部卒
PROFILE
入庫後、岡山支店に配属。農業をメインとした系統貸出、系統推進業務に携わる。2013年に審査部へ異動。産業調査・分析業務を担い、自動車、電機、小売、リース、信販クレジット業界を担当。同部在籍中に結婚、出産というライフイベントをこなす。2017年より1年間、組合活動に専従。金庫で裁量労働制、時差勤務、テレワーク等働き方改革を普及推進するためには業務効率化への取り組みが不可欠と考え、2018年より現職。
市場部門における一体的なシステム企画・開発や、EUDシステムの管理を行っています。 開発対象としているシステムは基幹系システムを除く、EUD、RPA、EUCなどで、ユーザー部の人たちと密に連携を取りながら要件を実装しています。 なかでも私は「業務革新チーム」に所属しており、GI(グローバル・インベストメンツ)本部のEUCサポートや部内のRPA開発に携わっています。
そうですよね(笑)。まず「EUDシステム」ですが、End User Developmentの頭文字を取ったもので、ユーザー主導で開発したPC上で動く小規模なシステムのことをいいます。
次に「RPA」、これはRobotic Process Automationの略称で、ソフトウェアのロボット技術を活用し、定型的な事務作業の自動化、効率化を実現するツールです。
最後の「EUC」はEnd User Computingの略で、ユーザー自身で効率的なデータ活用を管理できるようなExcelやAccessなどのツールを指します。
2019年度より、ユーザーニーズの収集を深掘りすることを目的に、「IT目線のBPR推進」と銘打った取り組みに注力しています。
ちなみにBPRとは、Business Process Reengineeringの略称で、要は業務革新ですね。「横文字の方が、なんだかカッコいいゾ」ということでのネーミングなのですが(笑)、私たちが部内の各班に一定期間ずつ常駐し、業務フローを確認させてもらいながら、ITニーズ・非ITニーズを収集し、システム目線でのソリューションを提供しています。
私が手掛けた部内RPA開発案件のなかに、「FLDファンド整備状況表作成自動化」というのがあります。
FLD(ファンドルック・スルーシステム)という基幹システムからデータを取ってきて、エクセルシートで集計し、関係各部にメールで送るという業務フローがあったのですが、それをRPAとEUCで自動化したことにより、年間70〜80時間の削減効果が実現できました。
すでにユーザーのパソコンには、Excelのマクロが実装されており、Excel関数も組み込まれていたのですが、両者を入れると容量が大きくなってしまい、Excelを立ち上げてもカーソルがクルクル回って、それこそ3分くらい動かなくなっていました。
そこで、まずは容量を軽くし、RPAボタンを押すだけでメールのドラフト作成まで自動でできるようにしました。ユーザーである職員からも、「そこにかかっていた時間を別の業務に回せるようになった」と、とても喜ばれています。
よく言われるのですが、理系と言いつつも、私の場合は農業経済だったので微妙なんですよね。
その証拠に、社内や子会社のNIC(農中情報システム)の人たちからも、「和田さん、理系だよね?」と期待を込めて聞かれるのですが、「農学部です」と答えると、「あー、そうなんだ」とちょっと残念そうな感じで(笑)。
事実、システム部門の業務は門外漢ですし、さらに言えば市場部門の業務も未経験。なので、市場慣行や業務用語を1から勉強する毎日です。
私もそう覚悟していたのですが、蓋を開けてみたら、意外にも初心者の私でもできることが多いことに気づいたんです。
ルーティン化している業務というのは、当事者にとっては疑う余地のないものなのですが、私からすると「なんでそんなことをしているのだろう?」と気づくことがあるんです。業務フローを見直すという観点からすると、既成概念がない私の方が、ユーザーよりも目端が利くこともあります。
他方、システムの専門家であるNICの人たちとの比較において、金庫の組織体系やこれまで培った業務知識・経験を活かせるという点では、ユーザー部の言わんとすることを汲み取り、それをうまく翻訳して、開発者に伝えられることもあります。ときに板挟みとなって身動きがとれなくなることもありますが、この発見は私にとっても新鮮でしたし、仕事の面白さでもあります。
そうなんです。知識もスキルも経験も浅い私が、ソリューションを提供するなど、おこがましい話なのですが、システムスキルの高いNICの人たちから知見を借りながら、協働して業務革新に取り組んでいます。
他行が推進するように、農林中央金庫も事業管理費の見直しや、業務効率化を進めることは喫緊の課題。とはいえ、業務に携わっている方々に業務フローを確認しても、業務の必要性から変えられない部分や、新しいやり方に対応する初期労力を割いている余裕がない部分も多分にあるのが実状です。
それでもそこをもう一度、皆で立ち止まって振り返ることが大事。ユーザー部の面々とよく話し合い、ときには粘り強く交渉しながら、結果として職員の業務効率化、ペーパーレス化に貢献できたときは、喜びもひとしおです。
高校時代の授業で「一人は万人のために、万人は一人のために」という協同組合の理念に触れ、すごく共感したことがきっかけだったように思います。
そこでJAグループという存在を知り、漠然とですが就職先のひとつとしてイメージするようになりました。大学の農学部では、農業簿記を専門とする研究室に所属していたのですが、研究の一環で農家さんと接する機会にも恵まれました。
印象的だったのは、皆さん口をそろえて同じことをおっしゃったこと。「農業でお金を稼ぐことは難しい」と。以来、生産者所得向上に携わる仕事がしたい、と考えるようになったことが農林中央金庫を志望するようになった理由です。
そして入庫を決意した最終的な決め手は、面接で対峙した職員、内定者集会で対面した同期の人柄でした。
食農、リテール、GI、コーポレート本部と、4大本部に所属する職員のカラーは、それぞれ違う印象を持っています。
私の印象で語らせてもらうと、食農の人たちは、「ザ・営業」という感じで、社交的で快活。リテールの人たちは、サービス精神旺盛で人情味豊か。GIの人たちは頭の切れる人が多く、どこか体育会系。そしてコーポレートの人たちは、鷹揚で安心感を覚える人が多いですね。
なので、農林中央金庫では必ず自分のカラーに合ったフィールドに出会えると思います。ただ、職員一人ひとりの特性やカラーは異なっていても、皆が「日本の第一次産業の発展に貢献する唯一無二の民間金融機関である」という使命を共有し、そこに誇りを感じて働いていることが共通しています。
かくいう私も、業務革新をゆくゆくは系統組織へと波及させ、生じたマンパワーを農林水産業の現場に振り向けることで、第一次産業の発展に貢献していきたいと考えています。