各種リスクを定量的に評価し、
「経営の羅針盤」を提供する。

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CORPORATE

名倉 秀史

HIDEFUMI NAKURA

リスク評価部

2015年入庫/工学研究科経営工学専攻修了

PROFILE

大学で開催された農林中央金庫の寄附講座をきっかけに金融工学に興味を抱き、身につけた知識を活かしたいと考え入庫。希望したリスク評価部へと配属され、信用リスク班で集中リスクモニタリング・信用リスクモニタリングを約1年間担当する。その後、現在の内部モデル管理室へ部内異動。内部モデルにかかる検証・開発に従事している。春〜秋はスポーツ観戦でリフレッシュ、冬は趣味のスキーで気分転換を図っている。

既存のモデルを定期的に検証する

Q
今はどんなお仕事を
されているのですか?

リスク評価部の内部モデル管理室で、各種国際金融規制や内部管理のための定量的なリスク計測モデルの開発・検証を主に行っています。農林中央金庫は現在、100兆円超の金融資産を運用しているなかで、会員のみなさまへの安定的な収益還元を果たしていくために、そのリターンと対になるリスクをしっかりと管理していかなくてはなりません。

そこでリスク評価部には、信用リスク、市場リスク、流動性リスクといった各種リスクを定量的に評価し、適切に経営をコントロールするための情報を提供するといった役割が求められているのですが、そのなかで私は信用リスクをメインで担当しています。

Q
具体的には、どのように
行っていくのですか?

各種リスクを定量的に評価するためには、現実の事象というものをいったん抽象的な形でモデル化し、それを最終的には数式で表すことで、具体的な数値としてアウトプットします。そしてその数値は、経営判断のための指標、つまりは「経営の羅針盤」として使用されることになります。よって、現実の事象に即した精度の高い数値を導き出すためには、既存のモデルを定期的に検証し、陳腐化していないかをチェックします。

そして、たとえばマーケットの構造変化を受けて、そのモデルが現実の事象を反映できていないという判断に至った際には、モデル変更などを行い、さらなる高度化を図っていきます。ちなみに、信用リスク計測では対象となる債務者の「信用力」のリスクを計測するのですが、これはマーケットで直接観測されるものではありません。そのため、信用格付けをはじめとしたさまざまなリスク指標を用いてこれをモデル化しています。

Q
そうした業務において、
課題となっていることとは
何ですか?

ひと言で言えば「高速化」です。目下、私自身が取り組んでいるプロジェクトにおいては、普段の信用リスク計測ではシステムを利用して計算していますが、昨今ではアロケーションの策定やストレステストの実施など、多くのシナリオを想定したシミュレーションが必要となってきており、迅速な意思決定を行うために100兆円超のポートフォリオから生じるリスクの情報を、よりタイムリーに発信することが求められています。そこで私も、従来よりも高速に計算できるツールの開発を推し進めています。

AI・マシンラーニングのリスク管理への適用可能性も探っている

Q
今の仕事の面白さとは
何でしょうか?

先ほどご紹介した「高速化」を実現するための取り組みも、なるべく精度は落とさないような近似的な手法や効率的なプログラミングなどを模索していくという点で、とてもチャレンジングな仕事となっています。

ほかにもIRRBB(Interest Rate Risk in the Banking Book:銀行勘定の金利リスク規制)の一部モデルの開発・保守を担当したり、信用リスク関連システムの開発・保守プロジェクトに参加したりと、さまざまなプロジェクトに携わっています。また、最近ではAI・マシンラーニングのリスク管理への適用可能性を探るためのPoC(Proof of Concept:概念実証)として、テクノロジーベンダーとともに共同研究を行っているのですが、どれも興味が尽きないですね。

Q
お仕事の幅が
広そうですね?

若いうちから重要な仕事を任せてもらえる、チャレンジさせてもらえるという点が、農林中央金庫の特徴だからだと思います。

私も入庫1年目のときに、当時90兆円超のポートフォリオに対する月次の信用リスクの計測・部内報告を行い、最終的には役員会議において私が計測した数字が報告され、経営の意思決定の材料の一つとなっていました。当庫は少数精鋭であるがために、重要な任務も若いうちから担当できることをこのとき身をもって知りましたし、非常にやりがいを感じたことを今でもはっきりと覚えています。

Q
当時、プレッシャーは
ありませんでしたか?

それはなかったですね。というのも、初めての部内報告を行う際には先輩が4回も練習に付き合ってくれましたから。これは農林中央金庫の風土としての魅力であり、美徳だと思うのですが、上司や先輩たちが本当に親身にサポートしてくれるんです。

重要な仕事を若いうちから任せてくれる一方で、分からないところについては丁寧に教えてくれるし、自分が気づかなかった間違いも指摘してくれます。こうした環境で日々仕事をしていると、自然と自信も養われ、新しいことに挑戦する意欲もわいてきます。私も金融工学を専攻していたからといって、最初からいろいろとできたわけではなく、上司や先輩の指導と、外部研修を含む充実した研修制度によって、知識やスキルが身についていきました。なので、これから入庫される方、金融工学的な業務に興味をお持ちの方も、安心して仕事に臨める環境にあると思います。

リスク計測モデルや実装について、周りから頼られる人材に

Q
金融工学を専攻されたのは、
どんな理由から
だったのですか?

大学3年生のときに、農林中央金庫が大学で開催していた寄附講座の最終回において、金庫職員によるバリュー・アット・リスク(Value at Risk:VaR)というリスク管理の指標についての講義があったのですが、そこで興味を持ったのがきっかけでした。そして興味の赴くままに大学院も金融工学の研究室を選び、この時点で就職先も金融機関を考えていました。

ポートフォリオ全体を対象にするようなダイナミックな仕事ができること、それも数理的な観点からアプローチできるという点に非常に興味を持ったことが理由です。なかでも農林中央金庫は、農林水産業の発展に資するという明確な目的を持っていましたし、有価証券の運用についてはメガバンクと同等かそれ以上。証券化商品については現在、世界有数の投資額を誇りますが、いずれにせよマーケットにおける存在感が大きいこともまた、業務の面白さにつながると考えました。振り返ってみると当庫への就職は、自分にとっては必然だったような気もしています。

Q
最後に、今後の抱負を
聞かせてください。

希望した部署に配属してもらい、実際にリスク計測を担当してみて、あらためて興味の持てる分野だと再認識しています。とりわけ今日に至るまでの業務経験によって、IT周りの知識もだいぶ身についてきたと実感しているだけに、こちらをこれからの自分の強みとして磨いていけたらと考えています。

そのうえで、今後はジョブローテーションを通じて規制資本や会計、マーケットフロントといった関連分野も学んでいきながら、将来的に当庫の巨大なポートフォリオを管理するに十分な知識・経験を身につけ、リスク計測モデルやその実装について、周りから頼られるような人材になりたいと思っています。

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