多様な実務経験を重ね、
「この分野については誰にも負けない」
という専門性を極めていきたい。

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CORPORATE

清島 結香

YUIKA SEISHIMA

事務企画部

2018年入庫/商学部卒

PROFILE

第一次産業に資するという明確な使命と、何らかの専門知識を深く習得することができる特定職に魅力を感じて入庫。子会社であるNBS(農中ビジネスサポート)での長期外勤を経て、2019年より現職。コロナ禍前は年に4回は海外を、そして週末は国内を旅する大の旅行好きだったが、コロナにより自粛。代わって始めたのがベランダ菜園。ハーブや野菜を立派に育てることの難しさを知り、あらためてプロの農家の偉業に魅せられている。

特定の何かを強みとして持っていれば長く働けると考えた

Q
就職先として
農林中央金庫を選ばれた
理由は何ですか?

金融機関を中心に就職活動を進めていたのですが、当庫は第一次産業に資するという他の金融機関とは異なる明確な理念を持っていたことと、「特定職」という働き方にすごく魅力を感じたことが、大きな理由です。私は長く働き続けたいと考えていたのですが、キャリアを積んでいく途中で、出産、育児、看護、介護など、ライフステージや生活状況に応じて職場を離れることもあるかと思います。そうしたなかにあっても、特定の何かを自分の強みとして持っていれば、長く働くことができると考えたのです。

ITやシステムは得意ではありませんでしたけど、アレルギーもありませんでした。現代において情報システムというのは、それを切り離して生活することが難しいですし、そうした基幹を担う仕事に関われることに、むしろ楽しさを感じました。

それに自分たちの代が特定職の「新卒1期生」だったということも決め手のひとつでした。自分の思ったことや考えたことを、すぐに行動に移せるのではないか。自分で開拓していくやりがいや楽しさがあるのではないか。そうした魅力も感じました。

Q
入庫後は、どのような仕事を
されてきたのですか?

事務企画部の事務総括班に配属され、長期外勤という形で当庫の子会社であるNBS(農中ビジネスサポート)に1年半ほど勤務しました。2週間〜3か月タームで各班をローテーションし、手形交換業務、手形集中業務、振込決済業務、財形業務など、銀行業務における一連の事務業務を実地で学び、事務の堅確性を習得しました。

印象的だったのが手形交換業務でした。毎朝、東京・大手町にある手形交換所に手形を持参するのですが、そこには日本の全金融機関の担当者が集まり、実際に紙の手形を交換することで決済をしていました。手形は中小企業が多く利用するものですが、この交換が滞ると入金されずに倒産なんて事態も起きかねませんので、絶対に止められない業務として当庫においてもBCP(事業継続計画)業務と言われる、優先度の高い業務に指定されていました。そこで私も、台風上陸で公共交通機関がすべて止まってしまった朝も、歩いて会社に向かい、大事な手形を抱え専用車で交換所に向かったこともありました。

Q
それこそシステム化
できないのですか?

私も同じことを思いましたが(笑)、全国銀行協会のもと、2022年に晴れて電子交換所が設立、稼働となりました。私が担っていた業務もなくなるわけですが、「振込も決済も、昔からこうやって人の手で行われていたんだな」というのを身をもって知れたことや、金融機関が果たす社会的使命を感じられたことは、私にとってよい経験となりました。それは同時に、私たちが担うシステム開発の重要性、それにより実現される利便性を再認識する機会ともなりました。

JAバンクの基幹システム「JASTEM」の開発・保守・運用

Q
今はどんなお仕事を
されているのですか?

事務企画部のJASTEM共通班とJASTEM管理班という2つの班に所属していますが、ともにJASTEMシステムに関わるという点では同じですね。本システムはJAバンクの基幹システムで、私たちは開発・修正に関する要件定義から、マニュアルの作成や改廃、照会対応といった保守、そしてシステム障害における県域への対応まで、JASTEMのシステム回りを担当しています。

そのなかで私はイベントと呼ばれる、JA合併・店舗統廃合に関する要件定義、照会対応、マニュアル改正、障害対応を担っています。

Q
イベントというのは、頻繁に
実施されるのですか?

合併や店舗統廃合は、JAの中期経営計画にも盛り込まれており、合併については年に数回、店舗統廃合は月に数回の頻度で行われています。そこで私は合併や店舗統廃合を行うにあたってのシステム対応を担っています。

合併の場合ですと、対象JAの商品情報の紐付けなどを行います。それというのもJAとひと口に言っても、地域ごとに独立した組織、異なる金融機関となりますので、商品構成も利率体系もそれぞれ異なるんですね。ですので、ひとつの金融機関として合併するにあたっては、何をどう統一するかをJAの方で調整してもらい、その申請内容に基づきシステムとして対応していきます。

同様に店舗統廃合の場合は、廃止される店舗のお客様のなかには口座番号を変えていただく必要が生じたりする場合もあるのですが、事前調査を徹底し、移行にともなうお客様の影響を最小限に抑えながら、システムでも顧客の移管、店舗情報の読み替えを実行していきます。

こうしてシステム的にイベント処理が正常にできるのかどうか、NIC(農中情報システム)と連携しながらその事前チェックも行い、エラーが発生した際には県域との調整を行っていきます。

Q
一連の業務において
難しいのは、
どんなことですか?

私たちにとってイベントへの対応は日常業務ですので、知見、ノウハウというのは当庫に蓄積されています。対して、対象となるJAにとっては初めての経験の場合もありますので、いくらマニュアルが用意されているからといって、それだけでスムーズに事が運ぶわけではありません。当然、各JAからの照会が、県域をまとめる信連や県センターを経由して当庫に入るのですが、その数は年間にして1〜2万件(要件定義グループ全体で受けている年間照会件数のため、イベント以外の照会も含む)。内容によっては、1件の照会に対応するのに60〜90分かかることもあります。

私たちの業務においては、JASTEMの開発や修正、障害対応も重要となりますので、照会対応ばかりには時間が割けません。かといって、照会対応をおろそかにすることもできません。なかなか悩ましい課題を抱えるなかで、問い合わせ業務を効率化するために開発したのが「照会応答支援システム」でした。

Q
それは、どのような
システムですか?

AIを組み込んだシステムに、当グループが蓄積してきた過去の照会やマニュアル等のデータを投入したものとなります。JASTEMに関する問い合わせについては、メールで送られてくることも多いのですが、まさにそのメールの文面をシステムに打ち込んでもらえれば、AIが文章を分析して、似たような過去の照会を引き出し提示してくれるシステムとなっています。

私が当班に配属されたときは、このシステムがリリースされた直後でしたので、私自身はシステムの発案・企画に直接携わったわけではありません。でも、その有用性を十分に認識できたからこそ、私もこれを紹介する文書を配信したり、照会があったときにはその存在を必ず伝えたりするなど、利用促進に向けた草の根活動を展開してきました。結果として本システムは、私が当班に異動してからの2年間で照会件数を約3,000件減少させることができましたので、さらに利用を促進させていきたいと思っています。

というのも、本システムは利用されればされるほど賢くなりますので、各JAにおいて初めてJASTEM業務に携わる人にとっては格好の指導員、よき先生となります。それは私たちにとっても同様で、ここには非常に多くのデータを収めてありますので、いちいち資料がどこにあるかを探して確認する必要がないという点で、業務効率化に大いに役立っています。まさに前任者たちの功績であり、優れた取り組みに授与される理事長賞を受賞したのも納得ですが、情報システムの仕事というのは、こういうふうにして多くの人の役に立てるのだということを再認識しましたし、特定職の仕事のやりがい、面白さを、このシステムはいつも私に教えてくれています。

ITリテラシーに左右されない誰もが使いやすいシステムに

Q
農林中央金庫でシステム開発に
携わる魅力は、どんな点に
あると思いますか?

当庫の強みを活かせる、ということだと思っています。どういうことかというと、当庫の人たちは個人成績を競い合いながら仕事をするというよりも、周りと協力してチームで成果を上げていくことを得意としています。私たちは、そうした当庫の強み、特性を最大限に活かすことができるので、チームワークを最大化させることによって、より困難なシステムにチャレンジすることができるのではないかと考えています。

より困難なシステムというのは、高機能を誇るシステムということではなくて、むしろその逆ですね。現在私が従事しているJASTEMシステムを直接利用するのはJAグループの職員が多いですが、中には一般のお客様が直接利用するシステムを開発している部署もあります。JAバンクのお客様は高齢の方が多いからこそ、ITリテラシーの有無に左右されることなく誰もが使いやすいシステムを本気で目指す必要があり、そうやってデジタルの世界におけるバリアフリー化に貢献できれば、きっとすべての人に優しい社会の実現にもつながるはず。私はそう信じていますし、そういう取り組みをよしとする当庫だからこそ、追求できることだと考えています。

Q
今後、どのような取り組みを
進めていきたいと
考えていますか?

JASTEMは、約600もの組織、約7,000もの店舗において利用するシステムです。その開発・保守・運用という影響範囲の大きい業務にも若いうちから携われる当庫だからこそ、私はもうしばらくは複数の部署を経験しながらその業務の核心に触れ、そのうえで何らかの分野において「この知識については誰にも負けない」という専門性を極めていきたいと考えています。

そのためにも今、個人的に考えていることがあります。最初に配属された事務総括班の経験は、現業務を進めるうえで現場を具体的にイメージするための貴重な財産となっています。今後、いろいろなシステムを開発するにしても、それを利用するのは自分ではなく当該部署の人たちであることを思うと、特定職といえども、事務企画部やIT統括部だけにとどまるのではなく、短期間で構わないので、システムを実際に利用している部署や自分の企画に関する部署の実務を経験することもキャリアを形成していく中で役立つことだと思っています。
今後の特定職の働き方、組織における活用の仕方を考えていくうえでも、既存の枠組みにとらわれず、自分がやりたいと思ったことを積極的に発言していく価値はあると思っています。

Q
もしかしたら、それは
「新卒1期生」が果たすべき
使命かもしれません。

そうですよね。そう思います(笑)。会社に期待するだけではなく、それを実現するもしないも自分自身ですものね。幸いにして、当庫は自分がやりたいことを周りもサポートしてくれる雰囲気がある職場ですし、それがどんな形であれ第一次産業の発展に資するものであれば組織をあげて取り組む会社ですので、自分が信じる企画はきちんと根拠をもって会社にぶつけてみようと思います。そうやって「1期生」としての足跡を残しながら、後進たちの励みとなるような仕事をしていくことで、農林水産業の発展にしっかりと寄与していきたいと思います。

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