不動産ファンドに対して
エクイティ投資、
ノンリコースローンを実行。

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GLOBAL INVESTMENT BUSINESS

村上 幸大

YUKIHIRO MURAKAMI

不動産ファイナンス・ソリューション部

2014年入庫 経済学部卒

PROFILE

機関投資家として多様なアセットクラスに投資を行っており、その規模も大きいことからダイナミックにマーケットに携わることができ、専門性も身に付けられると考えたことが入庫理由。入庫後は希望どおりグローバル・インベストメンツ本部に配属となり、資金為替部でドル円ディーラーとして日々のマーケットの動きを体感しながらの業務に従事。その名残で今も気づくと為替レートと株価を確認していると笑う。2017年より現職。

事業内容にコミットし、投資先の成長を取り込んでいく

Q
オルタナティブ投資とは
どういうものですか?

日本語に置き換えると「代替投資」ということになるかと思うのですが、上場株式や債券といった伝統的な資産以外の、新しい投資対象に投資することを指します。当部においても、国内外のPEファンド、不動産・インフラ、ヘッジファンドなどへの投資、日系非上場企業への直接投資などを取り扱っています。

グローバルな金利低下とともに貸出金利も低下し、債券や融資等金利ビジネスに依存する収益モデルに限界が見え始めている中、オルタナティブ投資は相対的に高い収益性が見込まれ、期待度の高いアセットクラスです。

例えば、PEとはプライベートエクイティのことで、未公開の企業やその事業に関する投資を意味し、一般的に信用力が低く、成長途上の企業が対象となることからハイリスク・ハイリターンの投資となります。農林中央金庫ではこのPEについて、投資先企業の選定からバリューアップ(企業価値向上)まで運用マネージャーが行う運用方式であるファンド投資からスタートし、近年は自ら投資先企業の選定を行い成長が期待できると判断した非上場企業へ出資を行う直接投資モデルを進める等、その幅と深さを拡大しています。銀行の本業はあくまで融資ということは変わりないですが、金利が低下し、融資での稼ぎにも限界があるなかで、これからの銀行が何を考えていかなければいけないかというと、より企業に対する目利き力を高め、その事業にコミットし、企業の成長を収益化できるようなビジネスモデルを取り入れていくことだと思います。

この点で非上場企業などへのエクイティ投資、つまり株式といった株主資本への投資は、投資先企業や事業の成長を取り込んでいく投資であることから、今後の銀行にとって大きな意味を持った領域だと考えています。

Q
部署内の役割分担は
投資対象ごとですか?

そうですね。私自身は、国内外の不動産投融資を扱うグループに所属し、現在は国内不動産を裏付けとする投資ファンドへのエクイティ投資(投資家)やノンリコースローン実行(レンダー)の実務を担当しています。
不動産から得られた賃貸収入に基づくキャッシュフローは、まず金利として決められた金額がレンダーに支払われ、残りが投資家に分配されるため、一般的にレンダーはローリスク・ローリターン、投資家はハイリスク・ハイリターンというように資金を拠出する立場により、収益性、及びリスク特性が異なるというのが投資家とレンダーの大きな違いです。

ノンリコースローンとは、この不動産投資ファンドで使われる融資で、借入人が保有する特定の事業や資産から発生するキャッシュフローのみを返済原資とするローンのことで、不動産ファンドの投資家はこのノンリコースローンを活用することでファンドの投資リターンを高めるといったメリットがあります。

Q
不動産投融資
ビジネスは、
どのような環境下に
あるのですか?

世界的な金利低下により、機関投資家にとって利ザヤのとれる運用商品が少なくなっていることもあり、不動産には国内外の機関投資家マネーがかなり入ってきています。なかでも国内において需給環境がいいのが、賃貸住宅と物流施設ですね。景気が悪くなっても人が住む場所は必要なため、特に人口流入傾向にある都内の賃貸住宅は安定した賃料収入が見込まれる資産としての見方が強く、足元投資家の資金流入が加速しています。

もうひとつの物流施設は、世界的なeコマースの隆盛はもちろんのこと、企業がより効率的な在庫、配送管理を図ろうとしています。そこで自社のバランスシートでやっていた従来の古い倉庫から、不動産ファンドが作った最新鋭の物流施設を賃借するという大きな流れが生まれています。

こうした動きを背景に、物流施設そのものは参入障壁がそこまで高い商品でもないこともあって、参入するデベロッパーも増えており、どんどん開発が進んでいます。当然のことながら、そこに不動産投融資の機会、ニーズが生まれており、私が担当する案件も物流施設に関するものが多くなっています。

投資家として魅力的な投資商品へ投資するために

Q
今はどんな案件を
担当されて
いるのですか?

東京近郊に所在する物流施設を裏付けとした不動産ファンドに対して、エクイティ投資を検討しているところです。

不動産投融資ビジネスというのは、アセットマネージャーと言われるファンドの運用者、物件の管理者、レンダーといわれる金融機関、エクイティ投資家、弁護士、不動産鑑定士といった専門家など、多数の関係当事者が連携して成立するビジネスです。

本件に関して言えば、私はエクイティ投資家としてビジネスに関与し、案件分析を行っています。

Q
案件分析で
ポイントとなるのは
どんなことですか?

主だったところでは、物件の立地、周辺環境にはじまって、競合関係、周辺需給関係、物件の仕様と運営状況、テナントの賃貸借契約内容、テナントクレジットや退去可能性、キャッシュフロー……、といったあたりでしょうか。これだけでも、だいぶ手間がかかりますね(笑)。

Q
「これだけでも」
ということは、
まだ先がある
わけですね?

はい。関係当事者が多いことについては先ほどお話ししましたが、その役割や経済条件を含む重要なルールというのは契約で規定されることになります。

従って、リスク・リターンの観点から魅力的な投資商品に投資できるよう、ファンドの諸条件などを運用会社やアレンジャーとディスカッションしたり、投資家として意見具申をすることもあります。またドキュメンテーションにおいてはリーガルリスクのチェックが必要となりますし、このあたりは当庫で内製化されているリーガルチームや外部の弁護士などの意見も参考にしながら、関係当事者と調整していきます。

また、担当者には投資実行の機関決定に向けて説明責任を果たしていくことも大切な仕事となりますので、担当案件にもっとも詳しい人間となり、社内におけるあらゆる指摘に対して十分な説明ができるよう準備しておくことが不可欠となります。

本質的な目利き力が問われる点に、業務の面白さがある

Q
うかがっていると、
本当に手間がかかる
お仕事ですね。

そうですね。とはいえ、100億円を超えるような大規模な取引に自身が関与し、実質的な所有者、オーナーになれるという点で、手間に見合うだけの大きなやりがい、達成感を感じることができる仕事です。

投資家がレンダーともっとも異なる点は、投資アセットの価値変動をダイレクトに受けるところにあります。

銀行の基本である融資は、貸した金額が本当に返済されるのかというのが最重要論点であるの対し、エクイティ投資はバリュエーション、つまり資産価値(企業価値)評価の変動次第でキャピタルゲイン、キャピタルロスが発生することから、マクロ見通し、対象アセットクラス(業界)の構造変化等のファンダメンタルズを踏まえた上で、本当に価値のある投資対象なのか、適切な価格で取得できているのか、投資タイミングは適切なのか、といった本質的な目利き力が問われます。ここに私たちの仕事の面白さがあります。

Q
今のお話は、
農林中央金庫だからこそ
できる仕事ですか?

そう思いますね。農林中央金庫はプライベートファンドへのエクイティ投資を国内で先駆けて取り組んできた金融機関の一つです。プライベートマーケットにおける投資家としての経験は国内有数で、これまでの投資経験に加え、多くの運用マネージャーと接点を持っていることでさまざまなファンドやその投資スタイルを比較検討できることは強みの一つです。それにより、組織として各案件やファンドに対する目利き力が蓄積され、その蓄積が各職員による投資分析にも活かされていると思います。

また、当庫は、運用する資金量に対して職員数が少ないことから、相対的に担当者が扱う金額、案件が大きいことが特徴の一つです。当然そこに集う関係当事者というのも非常に優秀な投資のプロフェッショナルたちとなります。こうした一線級の人たちとのビジネスは刺激的であると同時に、若手にとっては何よりの勉強の場になります。
若い年次でもこうした環境下で仕事ができるのも、機関投資家としての農林中央金庫のプレゼンスが高いからであり、これは当庫の投資部門で働く最大の魅力だと思います。

Q
最後に今後の抱負を
聞かせてください。

不動産の中でも、特に成長性が期待できる新規セクターへのエクイティ投資に挑戦していきたいと考えています。 これまで、当庫の国内不動産エクイティ投資は業界の中でいわゆる主要4セクターと呼ばれるオフィス、商業、賃貸住宅、物流セクターを中心に投資を行っていました。一方で、今後は、5G、IoT、ストリーミング再生……等、流通するデータ量が急増する中で、新たな成長性のあるセクターとしてデータセンターに対する注目度が高まっています。

とりわけ注目されているのは、GAFA等のクラウド事業者に対してサーバー、ストレージ等の保管、運営を行うための巨大なスペース、大容量電力等を提供する非常に大規模なデータセンター「ハイパースケールデータセンター」といったアセットクラスです。
米国ではこのセクターを対象とした上場リートが既に運用されている一方、日本では、通常の不動産とはリスクプロファイルが異なることもあり、まだ投資対象としての地位を確立しているとは言えない状況です。

今後成長が期待できる分野にエクイティ投資を行い、その成長を収益化するということは冒頭でお話しさせていただいたまさにエクイティ投資の本質です。一方で、リスクが未知数なこのアセットクラスが投資対象として本当に適正なリスク・リターンを持つのかどうか慎重に検討する必要があり、セクターのスタディーを進めているところです。社内での知見が確立していない分野を研究し、投資という観点から分析することは骨の折れる仕事ですが、投資部門ならではの面白さなのかなと思います。

このように私は投資部門において、当庫にとっての新しい分野を開拓していけるような働き方をしていきたいと考えています。そのためにも世界有数の機関投資家としてさまざまな投資を行う当庫の投資部門で、部署異動を重ねながら多様なアセットクラスの専門性、知見を身に付けていきたいと思っています。

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