安定的な収益基盤構築に
貢献し、
自らを高め、
市場でも評価される
プロフェッショナルを目指す。

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INVESTMENT BUSINESS

伊東 穂高

HODAKA ITOH

市場運用部

2015年入庫/商学部卒

PROFILE

やりたいことを探し、就職活動を進めるなかで出会ったのが農林中央金庫だった。系統預金を預かり資産として投資業務で収益を上げ、それを農林水産業の発展に向けて還元するという組織の独自性と、それを少数精鋭のチームワークとチャレンジスピリットで達成していくというダイナミックさに、自分の性分に合うと直感。入庫後はオルタナティブ投資部(現・開発投資部)に配属され、2018年より現職。

市場ポートフォリオの大きな割合を占める先進国債券

Q
今はどんなお仕事を
されているのですか?

私の所属する市場運用部では、農林中央金庫の市場ポートフォリオの大きな割合を占める国債・上場株への投資、および市場ポートフォリオ全体の総括などを行っています。そのなかで、私は米国債を中心に先進国債券を担当しており、グローバルの景気サイクルに即した投資戦略の策定と実行を行うことが主な業務です。

先進国債券は、いわゆる安全資産としてポートフォリオの土台、基礎的な収支の基盤となっており、会社全体の収益性を占う資産です。そのため、深度のある分析を素早く行うことが求められますが、安定的な収益を上げるためにチームメンバーと議論を重ねたうえで、自身の考えをポートフォリオに反映させることに、この仕事のやりがいと面白さがあります。

Q
先進国債券というのは、
他のアセットと比べ、
どんな特徴がありますか?

先進国の国債というのは、極めて流動性が高く、取引量が多い、という特徴を持っています。これは、発行量が多いことに加えて、米国債や日本国債が国際的に信任されており、その安全性が維持されると考えられているからです。安全資産として投資金額も百億単位で行われることが珍しくないため、小さな価格差が損益に大きな影響を及ぼします。

国ごとにも特徴が異なっており、アメリカであれば今後の経済・金融政策に対する市場の見方が価格決定要因となる一方、日本では大口投資家の投資行動や財務省による国債発行状況が大きな焦点になります。国ごとに異なる市場環境に留意しながら、安定して収益を上げるためのポートフォリオ運営を目指しています。

Q
安全資産だからといって、
放置しておいてよいという
ものではないわけですね?

そのとおりです。国債は、中央銀行による金融政策の影響をダイレクトに受ける、という特徴もあります。日本銀行も「イールドカーブ・コントロール」といって、長期金利の誘導水準を定めていますが、今で言うと10年金利をマイナスの0.25%からプラスの0.25%のレンジに収めようとしており、これも国債に紐付いています。国債を買い入れることで、この水準にしようとしている。アメリカの場合は、このイールドカーブ・コントロールという政策は行っていませんが、それでも金融政策を決めるうえで大きな材料となっているのが国債であることは同じです。

結局、先進国債券というのは安全資産ではあるものの、景気見通しや金融政策・政治動向などを材料に日々値段が変化していますので、冒頭でお伝えしたように「深度のある分析を素早く行う」ことを繰り返していくことが重要となります。とくに私自身、このことを再認識させられたのが、いわゆるコロナショックでした。

平時においてどれだけ事前準備をしてきたかが物を言う

Q
パンデミックによって、
マーケットではどんなことが
起きていたのですか?

中央銀行、なかでもアメリカが最も早く動きました。2020年3月に、2回に分けて一気に政策金利を下限と言われる水準まで引き下げ、さらに財務省が発行している国債を買い入れるという形で、大規模な金融緩和を行っていきました。最終的には2020年3月末時点で、コロナ禍前は1.625%だった政策金利が0.125%まで引き下げられました。

そして年が明けて2021年1月、その頃マーケットでよく行われていた議論では、「ワクチンの動向も不透明で、コロナ禍からの回復は当分先だろう」「アメリカの大統領選でトリプルブルー(大統領、上下両院を民主党が占める)になる可能性は低い」「長期金利は当面上昇しないのではないか」という見通しがコンセンサスに近い形で立てられていました。

ところが、実際はこのマーケットの見立ては外れました。「トリプルブルー」が達成されたことで、アメリカで財政による景気刺激策が想定以上の規模で発表されます。さらにワクチン接種の普及と、その効果が確認されたことで、景気の見通しが改善していき、2021年1月から3月までの間で、長期金利が一気に1%から1.7%まで上がっていきました。

Q
その間、皆さんは
どんなことを考え、どう行動
していったのですか?

金利が上がると債券の価格が落ち、ポートフォリオの評価益が減ってしまうので、このときによく議論していたのが、「ポートフォリオを守るために、いかに金利上昇リスクをヘッジしていくか」という、その戦略を含めた検討でした。

実際、それまで当庫としてやってこなかったようなストラテジーや、やり方も駆使したのですが、それにより米国債を持っていることに対するリスクを減らすことができても、コストがかかりすぎては意味がありません。コストを抑え、かつヘッジ効果を残しながらやっていくか、それを意識しながらの取り組みが続きました。

Q
一連の出来事を通じて、
得たこと、学んだこととは、
どんなことですか?

結果的に、大過なく乗り切ることができましたが、グローバルでほぼ同時に政策金利が下限まで引き下げられることなど、その半年前には想像もつきませんでした。こうした現実に直面して思ったのは、事前準備をしっかりやっておくことの大切さです。一次情報をもとにしっかり仮説を持って考え、それをチューニングしていくということを日々繰り返すことでしか、安定的な収益というのは達成できないということです。 乱暴な言い方をすれば、私の仕事は楽をしようと思えばできないこともありません。証券会社から毎日のようにさまざまな情報が送られてきますので、そうした二次情報、加工情報を活用すれば、何も自分の頭で考えなくてもいい。平時はそれで通用するかもしれない。

でも、ひとたびコロナショックのような出来事に直面したとき、普段どれだけ事前準備をしてきたか、自ら考えて日々仕事をしてきたか、その真価が問われます。当庫が世界有数の機関投資家であり続けるためには、単に運用資金の大きさだけではなく、困難を乗り切るだけの地力をつねに養っていく必要があると考えています。そのような「主体性」を持つことの重要性を、私は前部署の経験を通じて学びました。

主体的に働くことが、仕事のやりがいとクオリティを高める

Q
前部署の経験、
詳しく聞かせてください。

前部署では、プライベートエクイティファンド投資を担当していました。地域も戦略も異なるさまざまなファンドへの投資を検討しましたが、投資以外の管理業務の経験が自分にとっては大きかったと思います。 非上場の株式を扱うファンドへ投資をするわけですが、この投資は予実管理が難しいという特徴があります。投資先が非上場企業のため、投資による具体的な損益をタイムリーに把握することが難しく、社内でも「計算しにくいアセット」として扱われていました。

当時私は、2-3年目でしたので、今考えると生意気だったろうなと思いますが、それまでの予実管理方法にも改善の余地があるのではないかと思い、先輩らとファンドの管理業務を集約して行うチームを立ち上げ、社内・社外との交渉を踏まえながら業務の見直しを図りました。海外出張の際には情報開示が劣後するファンドに対して直接依頼を行うなどしながら、数多のファンドを効率よく管理する方法を検討していきました。

これらの取り組みは文字通り試行錯誤の連続だったのですが、結果として、それまで煩雑だった予実管理を相当程度仕組み化することができ、プライベートエクイティ投資における予算と実績の差がそれまでよりも小さくなりました。つまり「計算しにくいアセット」も、「計算の立つアセット」に近づかせることができた。

このとき学んだのが「主体性」の大切さです。自分の想いを持って働くことが、仕事のやりがいとクオリティの両面を上げることを、若手のうちに経験させてもらった。そして、この経験が、少なからずファンド投資業務や、現業務にも活かされ、成果につながっていると実感しています。

Q
仕事を面白くするのも、
自分を成長させるのも、
当人次第であると?

だと思います。そして当庫には、仕事を面白くできる環境、自分を成長させる環境が整っています。先ほど「チームを立ち上げた」と言いましたが、当時の私はまだ新卒同然の若手。にもかかわらず、周囲は私に裁量を与え、そのための環境を整えてくれました。先輩たちは自らの業務の傍ら、強力にサポートしてくれ、入庫1年目の後輩は、面白がって協力してくれました。

今、振り返って思うのは、当時の部署はフロント部署ですから、管理業務に時間を費やすべきではないという考え方もあったはずです。まして当庫は少数で業務を進めていますので、余力はそれほどありません。

Q
そこに思いもかけず、
若手が手を挙げた。

だと思います。当庫では、やる気さえあればキャリアに関係なく、それこそ知識も実力もまだ備わっていない若手であっても、周囲の助力を得ながらチームを動かす存在になれる。その経験が自信となり、仕事をさらに面白くさせ、自分の成長へとつながっていく。これこそが多様な業務がある農林中央金庫で働く楽しさだと私は考えています。

ですから、これから入庫する人には好奇心を持っていてほしいと思います。私も、後輩が質問や意見をぶつけてきてくれることが、嬉しいですし、むしろこっちが勉強になることの方が多いぐらいです。実際、投資業務において、相場の見立てや見通しというのは、人によって違って当たり前。だから私たちは日々、チームでディスカッションをするわけで、そこでの見方や考え方が多様であればあるほど、投資家としての自分たちを鍛え、長期安定的な運用へとつながると考えています。

私はこれからも、さまざまなことに好奇心を持って仕事に臨める人たちと、切磋琢磨しながら日本の農林水産業を支える安定的な収益基盤構築に取り組んでいきたい。そうやって自らを高め、市場でも評価されるようなプロフェッショナルになりたい。そう思っています。

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