高校の授業で食糧問題を学んだことから、自分もその解決の一端を担いたいと考えるようになり、大学ではアジア地域を中心とする農業・農村開発について、現地調査・研究に取り組みました。また、当時、日本では農業の6次産業化(※)への機運が高まりつつあり、先進的な農業者さんに経営課題などのヒアリングをしていたのですが、その中で後継者不足など、日本の農業の厳しさを肌で感じました。そして農業全体に関われるフィールドで、自分が貢献できることを見つけていきたいと思うようになったのです。
就職活動では日本の農業の発展に貢献できる仕事を軸に、商社や農業ベンチャーなどを志望。その中に農林中央金庫もありました。最終的に農林中央金庫を選んだのは、産業としての農業の発展に向けて大きなインパクトを与えられる組織で働きたいと思ったからです。農林中央金庫は、農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関であり、その社会的な影響力やポテンシャルの高さは大きな魅力でした。さらに農林中央金庫に惹かれたのは、働き方の観点です。漫然と働くのではなく、一日の大半を過ごす職場での時間を自己成長につながる有意義なものにしたい。そう考えていたため、先輩職員から「若手職員でも責任ある仕事を任せられて、やりがいが大きい」と聞いたことが、入庫の決め手になりました。
入庫後は、名古屋支店に配属。現場に近いところで、農業に関わる方々に役立つ仕事がしたいと思っていた私にとって、願ってもない配属でした。窓口業務、系統貸出業務を経て、3年目からは法人営業へ。以降3年間、主に食品スーパー等食農分野の地場大手企業への融資営業等に携わりました。そこで入庫前に思い描いていた通り、若手でも裁量権があることを実感。やりがいを感じるとともに自己成長を実現できる、そんな仕事人生がスタートしました。
※6次産業化:農業を1次産業としてだけでなく、加工などの2次産業、さらにはサービスや販売などの3次産業まで含め、1次から3次まで一体化した産業として農業の可能性を広げようとするもの。