新しい世界への扉を開いてくれる場所。新しい世界への扉を開いてくれる場所。

新しい世界への扉を
開いてくれる場所。

総合職 総合企画部 部長代理
間島 奈美 2005年入庫

入庫後、資金証券管理部(現・市場業務マネジメント部)を皮切りに、開発投資部、債券投資部(現・市場運用部)に所属し、一貫してマーケット業務に携わる。入庫17年目に初めてマーケット業務を離れ、農林中央金庫の各種施策を担う総合企画部へ異動。現在は、資本政策担当および広報財務IR班の格付機関担当を担う。一児の母として、夫と二人三脚で家事・育児を行い、ワークライフバランスを意識しながら業務に取り組んでいる。

世界経済の仕組みを知りたい。
その思いを叶える、
農林中央金庫という選択。

私が金融市場に興味を持つようになったのは高校時代。それまでは勉強にのめり込んでいて、世の中で起きていることには全く関心がありませんでした(苦笑)。高校入学後、さすがにそれでいいのだろうか…と感じ始めた頃に、地元自治体が主催するアメリカへの短期ホームステイプログラムに参加したことが、自分の世界を広げる一つのきっかけになりました。ニューハンプシャー州にステイし、ニューヨークやサンフランシスコにも滞在したのですが、ステイ先の皆さんは日本の製品を知っていたし、現地で日本企業の看板が目につくこともしばしば。遠い異国の地で日本の企業がこんなに活躍しているのだと初めて実感しました。また、高校の授業でアジア通貨危機について学び、金融市場は目に見えないけれど、自分を含めて世界中の人々の生活に大きな影響を及ぼしていることを知ったことも新たな気づきになりました。グローバルに世の中がつながっているという実感は、私に社会の仕組みや経済の仕組みを学びたいという欲求をもたらしました。

大学時代は国際金融のゼミに所属し、就職活動ではやはり金融市場に関わる仕事をしたいという思いから金融機関を志望。農林中央金庫に惹かれた理由は、国際分散投資の歴史が長く、金融市場のプレイヤーとしての存在感が際立っていたことでした。その後、先輩職員から、農林中央金庫なら最初から金融市場に関わる仕事ができる可能性があると聞き、志望度がさらに高まりました。私は選考を受ける中で金庫を知っていったので、実は途中まで「第一志望ではありません」と伝えていて、それでよく採用されたなと思います。今思えば生意気でしたが、農林中央金庫の先輩や面接官の方々にはそれだけ自然体で接することができたのだと思います。

入庫後、外債や外貨建てファンドに関する事務を担う資金証券管理部に配属。農林中央金庫が行う国際分散投資のバック業務であり、その複雑な事務の流れやポイントについて厳しく叩き込まれました。巨額投資を行っているだけに事務の些細なミスが大きな損失につながる場合もあり、迅速さと共に正確さが求められるのです。最初に10桁にものぼる数字を見た時は戸惑いましたが、それにも次第に慣れていき、仕事に取り組みながら世界の中での農林中央金庫の存在感の大きさも体感することができました。

生き方、働き方の
選択肢は一つではない。
それを知った上で、
今自分に必要な道を選んでいく。

3年目の1年間は、事務トレーニーとしてロンドン支店に赴任。業務は日本で取り組んでいた内容とほぼ同じでしたが、日々の事務作業はローカル職員が担っており、私の主な役割はチェック作業です。そこで求められたのは、現状の事務作業の課題を洗い出し効率化を図ることでした。一方、目が開かれる経験となったのは、働き方や生き方の面です。ローカル職員の方々は、男女もポジションも関係なく、仕事は定時までで終わらせ、その後はプライベートを優先するというスタイル。「ガーデニンググッズを買いに行かなくちゃいけないから今日は早く帰るわ」などという感じで、生活を楽しんでいる方が多かったのです。日本で見ていた世界が全てだと思っていた私にとっては目から鱗で、他の選択肢もあるのだという見方が持てるようになりました。

「そろそろ国際分散投資のフロント業務に携わりたい」という願いが叶って、帰国後は開発投資部のオルタナティブ投資班に異動。しかし、その直後にリーマン・ショックが起こり、「オルタナティブ投資とは何か?」もよくわからぬまま、仕事漬けの日々が始まりました。そして上司や同僚が対応に追われる中、自分は何もできず、質問すらする余地もなく時間ばかりが経過するという負のループで、社会人になって初めての挫折を味わいました。その半面、自分のキャリアにとって大きな収穫もありました。オルタナティブ投資は伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資手法であり、この分野でしのぎを削るプレイヤーたちは世界の一流の人たちです。そのため業務を通じて欧米の名だたるファンドマネージャーの方々に会うことができ、そこで直接話が聞けたのは貴重な経験になりました。

心に余裕ができ、自信を取り戻したのは、同じ開発投資部のクレジット投資班に異動した後のこと。リーマン・ショックの混乱から回復し、いろいろな投資を再開する時期でもあり、様々な新規投資にも携わりました。この間に結婚しましたが、独身時代と変わらず仕事に邁進し、結婚前後で働き方は全然変わりませんでした。しかし、その後のキャリアを振り返れば、自分にとって最大限知見を吸収して頑張るべき時期だったのだと思います。また、夫と私でワークスタイルも異なるので、夫を見ていると、仕事に対する向き合い方は人それぞれで、働き方の選択肢は一つではないと再認識するようにもなりました。そういった意味でも、良いパートナーなのかなと思っています。

一日の過ごし方

08:30
出社。夫と子供より先に家を出て電車に乗る通勤時間は貴重な一人時間。出社後はメールチェックし、本日の業務内容を確認。
09:00
資料作成。資本政策にかかる会議資料を作成。分からないことがあれば上司に電話して相談。
10:00
社内打ち合わせ。兼務先の企画管理部の週次ミーティングに参加。足元課題を確認。
10:30
資料作成。資本政策にかかる会議資料を作成。
12:00
昼食。
13:00
取引先との面談。金庫役員あてに取引先役員が来訪する面談に同席。記録を作成し回覧。
14:00
資料作成。資本政策にかかる会議資料を作成。
15:00
社内打ち合わせ。同じ班のメンバーと資本政策にかかる次の会議に向けてミーティング
16:00
資料作成。ミーティングを受けて資料を修正。上司に確認依頼。
17:30
退社。保育園にお迎えに。
  • 子供もあっという間に4歳に。
    どんどん大きくなって
    いきます。
  • 休日は家族と一緒に過ごす時間を
    大事にしています。

家族との生活、
自分時間を大切にしつつ、
農林中央金庫にとって
役立つ人材であり続けたい。

20代後半は仕事しかしていない。そう思えるくらい仕事に没頭した5年間を経て、9年目に念願の債券投資部へ異動。米国債や欧州国債の主担当として、市場動向をモニタリングし、今は買うべきか、売るべきか、静観すべきか、考える毎日が続きました。何十兆円にものぼる債券は農林中央金庫の収支の柱。そのポートフォリオをどうするかを考える立場になったことがうれしく、別に自分ひとりで動かしている訳ではないのですが、「私が金庫を支えなければ」という気持ちになりました。金融市場で何が起きているのか、マーケット参加者の誰がどういう思いで行動しているのか……、そうした情報をキャッチし、マクロ分析に基づいて投資判断をしていく。まさに高校時代に思い描いていた、「世界経済の仕組み」に触れる現場の中心に自分がいるという感じです。

債券投資部に配属中、産休・育休を取得。復帰後すぐに管理職になったのですが、復帰して感じたのは絶望感でした(苦笑)。エクセルの使い方も、市場を見る目や感度も失われていたからです。しかし、すぐに発想を切り替えました。育児で時間制限がある中で以前と同じような働き方をするには無理がある。ならば部下やチームの力を活かして仕事を進めていこうと。やってみると、自分一人でやるより、チームでできることの方が多いことに気づきました。また、若い人たちからどんどんアイデアを出してもらい、これまで培ってきた経験を活かしてそれらを実現化していくマネジメント業務にも手応えを感じるように。不安から始まった管理職でしたが、むしろこのタイミングで管理職になってよかったと思っています。
そして17年目を迎えた2021年に、農林中央金庫の各種施策の企画を担う総合企画部へ。これまでは農林中央金庫の運用益をいかに上げるかを考えていたのが、今度はJAや信連(信用農業協同組合連合会)さんにもご理解いただきながら、金庫にとってより良い資本政策は何かを考える仕事。この歳になって全く新しい世界に触れています。入庫後ずっとマーケット業務に携わってきて、元々はそれ以外に興味はなかったのですが、年次が上がるにつれて、何かを判断する際、狭い分野しか見ていないと「何が金庫のためなのか」、その判断を見誤る場合もあると感じるようになっていました。そのため異動は楽しみでもありました。現在は資本政策を担当する中で「農林中央金庫とは何か」を深く理解する機会を得ています。
子供はまだ4歳。以前のように自分の体力が続く限り、いつまでも仕事ができるという環境ではありません。そのためできる限り、計画的に業務を遂行することを心がけています。加えて、夫と二人三脚で家事や育児を分担して乗り切っています。この機会に、効率的にアウトプットを出していく術を鍛えて、家族との生活や自分時間を大切にしながら、この先も農林中央金庫にとって役に立つ人材であり続けたい。それがいまの私のビジョンです。

これまでのキャリア

1年目:
資金証券管理部に配属
外国証券管理班で、外債や外貨建てファンドに関する事務(売買の入力や資金の送金、利息の受領状況の確認等)に携わる。海外とのやり取りが多く、英語力も鍛えられた。
3年目:
業務トレーニーとしてロンドン支店に配属
さまざまな国籍のローカル職員が手作業で行っている作業をアクセスやエクセルを使って効率化するなど、業務改善を担う。
4年目:
開発投資部に配属
リーマン・ショックの混乱の中、オルタナティブ投資班に配属。仕事の厳しさを痛感する一方で、世界の一流プレイヤーたちと対話する貴重な経験を得る。その後、クレジット投資班に異動し、証券化商品の管理や新規投資に携わる。
9年目:
債券投資部に配属
欧州国債・米国債の担当として、市場動向をモニタリングし、それらをチームで共有しつつ、マクロ分析に基づく投資判断を行う毎日。また、この間に産休・育休を取得。復帰後、管理職になる。
17年目:
総合企画部に配属
農林中央金庫の各種施策の企画を担う部署の中で、資本政策担当および広報財務IR班の格付機関担当を担う。JAバンク統括部等、リテール分野の方々とやりとりする中で、農林中央金庫とはどういう組織を実感。
未来のキャリア

目下の目標は、これまでの経験も活かしつつ、農林中央金庫にとって有用な人材としてさらに成長していくこと。また、私のように育児など何らかの理由で時間制限がある中でも、効率的に働いている人が責任ある仕事を任せられて、しかも高いパフォーマンスも発揮でき、それが農林中央金庫の持続的成長につながる世界を広げていければと思っています。さらに定年後は、農林中央金庫で培ったマネジメント力を活かして、地域に根ざした仕事ができるといいなと、頭の片隅で考えています。なんだかんだ言って私は仕事が好きで、仕事が趣味という感じでもあるんですね(笑)。