私が金融市場に興味を持つようになったのは高校時代。それまでは勉強にのめり込んでいて、世の中で起きていることには全く関心がありませんでした(苦笑)。高校入学後、さすがにそれでいいのだろうか…と感じ始めた頃に、地元自治体が主催するアメリカへの短期ホームステイプログラムに参加したことが、自分の世界を広げる一つのきっかけになりました。ニューハンプシャー州にステイし、ニューヨークやサンフランシスコにも滞在したのですが、ステイ先の皆さんは日本の製品を知っていたし、現地で日本企業の看板が目につくこともしばしば。遠い異国の地で日本の企業がこんなに活躍しているのだと初めて実感しました。また、高校の授業でアジア通貨危機について学び、金融市場は目に見えないけれど、自分を含めて世界中の人々の生活に大きな影響を及ぼしていることを知ったことも新たな気づきになりました。グローバルに世の中がつながっているという実感は、私に社会の仕組みや経済の仕組みを学びたいという欲求をもたらしました。
大学時代は国際金融のゼミに所属し、就職活動ではやはり金融市場に関わる仕事をしたいという思いから金融機関を志望。農林中央金庫に惹かれた理由は、国際分散投資の歴史が長く、金融市場のプレイヤーとしての存在感が際立っていたことでした。その後、先輩職員から、農林中央金庫なら最初から金融市場に関わる仕事ができる可能性があると聞き、志望度がさらに高まりました。私は選考を受ける中で金庫を知っていったので、実は途中まで「第一志望ではありません」と伝えていて、それでよく採用されたなと思います。今思えば生意気でしたが、農林中央金庫の先輩や面接官の方々にはそれだけ自然体で接することができたのだと思います。
入庫後、外債や外貨建てファンドに関する事務を担う資金証券管理部に配属。農林中央金庫が行う国際分散投資のバック業務であり、その複雑な事務の流れやポイントについて厳しく叩き込まれました。巨額投資を行っているだけに事務の些細なミスが大きな損失につながる場合もあり、迅速さと共に正確さが求められるのです。最初に10桁にものぼる数字を見た時は戸惑いましたが、それにも次第に慣れていき、仕事に取り組みながら世界の中での農林中央金庫の存在感の大きさも体感することができました。