キャリアも人生も、自分で切り拓いていく。キャリアも人生も、自分で切り拓いていく。

キャリアも人生も、
自分で切り拓いていく。

総合職 統合リスク管理部
中井 緑 2009年入庫

入庫後、市場業務管理部(現・市場業務マネジメント部)に配属。その後、農林水産環境統括部(現・営業企画部)、リスク評価部を経て、現在、統合リスク管理部に所属。オペレーショナル・リスクについての管理体制の企画、モニタリング、継続的な見直しを担当。二児の母であり、現在、短時間勤務を活用中。自分と夫が家事も育児も同じスキルを持っている状態を維持しながらお互いに協力し、お互いの仕事についても尊重し合っている。

理系の素養を活かし、
自分の力を発揮して
仕事ができる。
そこに大きな魅力を感じて。

大学時代は基礎物理学専攻で素粒子に関わる研究に取り組み、修士論文としてまとめました。その内容は宇宙の始まりの数秒間ほどを解き明かすというロマンのある研究で、自分にとって夢中になれた貴重な経験でした。しかし、そのまま研究者の道に進み、さらに研究を突き詰めるのは自分には向いていないと思い、就職活動を行うことに。そして理系の素養を活かせる仕事がしたいと思っていたところ、「金融機関には基礎物理研究を経て活躍している人がいる」と聞き、にわかに興味が湧きました。それまでは金融機関についての知識はゼロだったのですが(苦笑)。

企業研究を行う中で農林中央金庫に注目したのは、莫大な運用資産があるがゆえに、リスク管理の堅実性が求められ、その領域に理系の素養が大いに活かされそうだと思ったからです。また、様々な金融機関の説明会に参加しましたが、一番ピンときたのが農林中央金庫だったというのもあります。私は周囲を田畑に囲まれた田舎育ち。一番近い金融機関がJAだったこともあり、その系統金融機関である農林中央金庫にはすぐに親しみを覚え、また、“第一産業のために”というポリシーにも自然に共感できたからです。さらに選考過程で多忙な先輩職員たちが時間を割いて、何も知らない私に対して、農林中央金庫の事業やその業務内容について丁寧に説明してくださったのにも好感を持ちました。

入庫後、市場業務管理部に配属。主に有価証券決済システムにおける事務・系統サポートを担当し、事務の基本を学ぶとともに、系統組織の中での農林中央金庫の位置付けを把握することができました。市場業務管理部は、JA・信連(信用農業協同組合連合会)さんからの照会窓口でもあります。有価証券決済システムについての勉強会を実施することもあり、その中で、系統組織に関わる業務も興味深いなと思うように。というのも、JA・信連さんが、「こうシステムを変更していくべきでは?」「本来はこうあるべきなのでは?」などと有益な示唆を与えてくれることが多々あり、農林中央金庫はJA・信連さんがいてこそ、あるべき道へ進めると思えたからです。そこで系統組織に関わる部署に異動したいと申し出ると、希望通り、3年目に支店の系統貸出を所管する農林水産環境統括部への配属が実現しました。

一次産業を担うお客様を支える。
そのやりがいある日々が、
自分の人生を輝かせる。

農林水産環境統括部は、支店の系統貸出を所管するとともに、支店の担当者が農業法人のお客様に提案する商談会・ビジネスマッチング、アグリシードファンド(農業法人投資育成制度の枠組み)などの全案件をサポートする役割を担っていました。当時は東日本大震災直後だったため、復興商談会などにも携わりました。アグリシードファンド担当の際には、数多くの農業法人のBS/PL(貸借対照表/損益計算書)や事業計画書を読みました。それまで財務諸表を見る経験はなかったのですが、最終的にはBS/PLを見て農業法人がどんな作物をつくっているかが分かるようになっていました。また、支店の担当者とともに農業者の畑を見に行ったりもしました。それまで触れたことのない新しい経験だらけの刺激的な日々の中で、農林中央金庫の先にいるお客様の顔が見えて、“第一産業のために”というポリシーを肌で感じることができました。

当時、国が農業の6次産業化(※)を推進する中、JAグループとして6次化ファンドの立ち上げに携わったのも貴重な経験になりました。周囲の方々にも経験がなく、私としても、「そもそもファンドを作るとはどういうこと?」からのスタート。自分で情報を集めて勉強しながらの取り組みでした。目の前にやるべき明確なことがあると、それに向けてコツコツ頑張るのが好きなので、どう進めていけば決められた期日通りファンドを設立できるか計画を立てて、6次化ファンド立ち上げを成し遂げていくのは、胸躍る楽しいプロセスでした。

農林水産環境統括部時代はとても忙しい毎日でしたが、そういう時こそ、自分にとって真に必要なものや人がわかってくるものかもしれません。この時期に、のちに結婚することになる夫と、仕事が終わった後、一杯飲みに行く等して疲れを癒していました。また、職場の方々との交流も盛んで、みんなで山登りしたり、釣りに行ったり、野球観戦したりと遊びも充実。公私ともに楽しい時間を過ごすことができました。

※6次産業化:農業を1次産業としてだけでなく、加工などの2次産業、さらにはサービスや販売などの3次産業まで含め、1次から3次まで一体化した産業として農業の可能性を広げようとするもの。

一日の過ごし方

08:40
出社。メールチェック・対応業務確認。
08:50
班内総括日次打合せ。
09:00
規定改正作業。
10:00
IT統括部との週次打合せ。システムリスクRCSAにかかる進捗確認等。
11:00
社内研修(事務初任者研修の中の「情報セキュリティ管理の基本」)の資料作成、出講準備。
12:00
昼食。
13:00
照会対応等。
14:00
部内月次打合せ。
15:30
情報セキュリティにかかる打合せ。
16:40
退社。保育園のお迎えへ。
  • 絵本の読み聞かせ。
    姉妹仲良く成長しています。
  • 仕事終わりは夫と分担して
    保育園のお迎えにいっています。

これまでも、これからも、
職場は自分の能力を発揮する、
なくてはならない場所。

入庫理由でもあり、元々やりたかったリスク評価の仕事に取り組んでみたい。6年目にその希望が叶ってリスク評価部へ。まさに取り組みたい業務としてイメージしていた市場リスクの計測を担当することになりました。難しいのは、商品によって計測の仕方を変える必要があること。最初はわからないことだらけで苦戦しましたが、次第に商品ごとの計測の仕方を学んでいくのが面白くなってきました。また、大きな達成感を覚えたのは、統合VaR(バリュー・アット・リスク:リスク管理の指標)のシステム化対応プロジェクトに携わり、ベンダーとの協業のもと、システム化を実現したことです。その中でそれまで手作りのEUC(エンドユーザー・コンピューティング)で計測していたものを、システム化することにより、実際にどのように計算が行われるのか、また、計測結果のずれの原因は何か等を突き詰める場面では、自分が得意とする理系の素養を大いに発揮することができました。

リスク評価部へ異動して3年目に結婚し、翌年、第1子を出産。産休・育休を取得し、2018年に復帰しました。多少不安はありましたが、同じリスク評価部に戻ったため、周りは知っている方ばかりで再始動しやすかったです。また、育休中、子供を連れて職場に顔を出したことで、職場の皆さんに、私が子供を育てながら働く状況を具体的にイメージしてもらえていたのも、理解を得やすい環境づくりになったと思います。

12年目に、農林中央金庫の適切なリスクマネジメントに向けて、有効な内部統制の構築・運営を行う、統合リスク管理部へ異動。それから程なくして、第2子出産に伴い、二度目の産休・育休を取得しました。復帰にあたっては、事前に上司に相談。時短勤務であっても自分の力が発揮できる仕事がしたいという話をしたところ、「オペレーショナル・リスク担当」を提示していただけましたオペレーショナル・リスク業務に関しては、情報管理に関して突発的に早急な対応が求められることがあるものの、時間制限のある中でも役割発揮ができるようチーム内での相互補完体制が構築されています。現在は、働き方改革や本店移転等に伴う、セキュリティ対策に対する適切な潜在リスク評価の実施に対する牽制や、顕在化事象を把握するオペレーショナル・リスク報告制度のシステム運営・管理などを担っています。そうした業務を通じて、農林中央金庫のあるべき姿を突き詰めていくところに仕事の面白さを感じています。

二人の子供に恵まれたことで、それまでと仕事への取り組み方は180度変わりました。以前は残業をして、自分が満足するまで仕事をすることができましたが、今は限られた時間の中で優先順位をつけてやるべきことをやるというスタイルです。仕事は完全に生活の一部。そして、私にとってはなくてはならないものです。職場は自分の能力を発揮する場であり、それがなくなったら、「自分って何?」という感じになるほどの存在だと思っています。

これまでのキャリア

1年目:
市場業務管理部に配属
有価証券決済システムにおける事務・系統サポート、毎月の時価承継業務、JA・信連(信用農業協同組合連合会)への勉強会実施を担当。事務の基本を学ぶ。
3年目:
農林水産環境統括部に配属
部店の系統貸出の所管業務、商談会・ビジネスマッチング、6次化ファンド立ち上げ、アグリシードファンドを担当。系統組織に関わる仕事の醍醐味を味わう。
6年目:
リスク評価部に配属
市場リスク・信用リスク・流動性リスクの計測、統合VaR(リスク管理指標)のシステム化対応を担当。この間に結婚、第1子出産に伴い産休・育休を取得。10年目の2018年に復帰。
12年目:
統合リスク管理部に配属
総括、流動性リスクの企画、流動性リスクの高度化を担う。その後、第2子出産に伴い産休・育休を取得。復帰後、オペレーショナル・リスクを担当。
未来のキャリア

思えば入庫以来、いかに最も自分が力を発揮できる環境をつくれるか、それを周囲に自己開示することで、自分が希望する部署へ異動させていただきました。キャリアは自分で切り拓ける。それが私の実感です。今、思い描くビジョンは、いつか系統組織のリスク管理を担いたいということ。そのためにも数年のうちに、短時間勤務からフルタイム勤務に復帰し、仕事と家庭を両立した上で思う存分仕事に打ち込み、自分を成長させていきたいと思っています。